コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来:数字のオモテとウラを学ぶコラム(1/5 ページ)
コンビニ業界は“出店ラッシュ”が続いている状況だが、こうした動きは今後どうなるのでしょうか。セブン-イレブンとファミリーマートのニュースから考えてみました。
数字のオモテとウラを学ぶコラム:
企業のWebサイトを見てみると、プレスリリースのほかにも、決算情報や月ごとの業績資料など、参考になる情報がたくさん眠っています。主にマスコミや専門家向けに公開されているものですが、実はビジネスパーソンにとってもためになる資料なのです。「企業→マスコミ→自分」という情報の流れのほかに、「企業→自分」という情報の流れを持つことは、スピード感が求められる今のビジネス社会では、大きな“武器”になるでしょう。
この連載では、企業が発表するプレスリリースや決算短信などを題材に「なぜこのような発表が行われるのか?」「この発表の舞台裏では何が起こっているのか?」「今後、この企業はどうなるのか?」という疑問に対して、著者がときに答え、ときに推測します。
著者プロフィール・眞山徳人:
公認会計士。大手監査法人にて、監査業務のほか、管理会計の導入から経営ビジョンの策定にいたるまで、さまざまな種類のコンサルティング業務に従事。また、大学や大学院でのインターンシップ研修の運営や各種企業研修での講師も担当。
難しい会計やビジネスの世界を分かりやすくひも解き、「中学生でも分かるように」説明することを信条としており、書籍や雑誌でも物語や漫画などの形式で会計の仕組みを解説している。座右の銘は「できるときに、できることを、できるだけ」。誠ブログ「公認会計士まーやんの『ロジカるつぼ』」を連載中。
「会社に行かない日はあっても、コンビニに行かない日はない」――。多くの人にとって、それくらいコンビニは生活に密着した存在であるはず。そんなコンビニの大手チェーンであるセブン-イレブンとファミリーマート、両社の店舗戦略について興味深いニュースが報じられました。
まず、セブン-イレブン・ジャパンは、JR四国と業務提携を発表しました。JR四国の駅にある「キヨスク」が、今後「セブン-イレブン」へと看板を架け替えていくことになります。セブン-イレブンが四国に進出したのは2013年3月。なので、地元の人の間ではまだまだ浸透していないかもしれませんが、それでも駅ナカにコンビニが登場することはインパクトのある出来事だと思われます。
セブン-イレブン・ジャパンは、2009年9月に京浜急行電鉄、2010年10月に北海道キオスク、2014年3月にJR西日本とそれぞれ業務提携を行っており、エキナカへの進出にかなり本腰を入れている様子がうかがえます。
一方、ファミリーマートは2014年3〜5月期の業績が「増収・減益」であると報じられました。出店拡大の影響で売上高は順調に増加したものの、出店に伴うコストが増加したことで、営業利益は減少してしまった、ということになります。
さて、どちらのコンビニチェーンも「出店」という意味では同じ行動をとっているのですが、このまま順調に拡大していくのでしょうか。それとも転機を迎えることになるのでしょうか。コンビニ業界で今、何が起きているのかを考えてみたいと思います。
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