コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来:数字のオモテとウラを学ぶコラム(3/5 ページ)
コンビニ業界は“出店ラッシュ”が続いている状況だが、こうした動きは今後どうなるのでしょうか。セブン-イレブンとファミリーマートのニュースから考えてみました。
じゃあ、どうする?
さて、ここで考えていただきたい。そういう未来がすぐやって来るとして、あなたがコンビニチェーンの社長なら、どんな行動に出ますか?
とるべき方向性は2つあると思います。1つ目は「小さなサイクルに磨きをかける」。そ2つ目は「大きなサイクルに力を入れて、飽和になる前にできるだけ店舗数を確保しておく」。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの2つの策こそが、今まさにコンビニで起こっているのです。
1つ目の小さなサイクルに磨きをかけるのは、PB商品やコンビニコーヒーといった新商品の開発が該当します。2つ目の店舗数の確保について、セブン-イレブンもファミリーマートも力を入れていますが、詳しくみると違いがあります。
セブン-イレブンの出店数は1万6000店を超えていますが、まだ出店していないエリアもあります。例えば、青森、鳥取、高知、沖縄の4県。この4県についてはタイミングをみて出店することが予想されますが、すでに進出している都道府県については「どこに出せばいいの?」という難しい課題があります。
。
そして、その課題を考えたときに、「駅ナカ」にたどり着いたのでしょう。確かにJRの駅ナカでは、キヨスクやNEWDAYSといった、JR系列の店舗以外のコンビニは出店していませんでした。以前はこのエリアは完全な「聖域」だったわけですが、セブン-イレブンが持っている商品力やATMなどのサービスを、JRのグループ会社がフランチャイジー(フランチャイズの加盟店のこと)になることで提供できるようになれば、JRにとっても、セブン-イレブンにとっても非常に有益なことに思われます。もちろん、消費者も利便性が向上します。
関連記事
- セブン&アイが、過去最高益を計上した理由
セブン&アイ・ホールディングスが、2013年3〜11月第3四半期で過去最高益を計上しました。同社は誰もが知るコンビニやスーパーのチェーン店を抱えていますが、なぜこのタイミングで最高益を実現することができたのでしょうか。決算短信を見ると……。 - コンビニが、何度も「おにぎり100円セール」を行うワケ
「おにぎり100円セール」――。コンビニの店頭にこんなポスターを見たことがある人も多いだろうが、何度もセールを行うことでどういった狙いがあるのだろうか。単に売上増を狙うだけでなく……。 - もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.