連載
コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来:数字のオモテとウラを学ぶコラム(5/5 ページ)
コンビニ業界は“出店ラッシュ”が続いている状況だが、こうした動きは今後どうなるのでしょうか。セブン-イレブンとファミリーマートのニュースから考えてみました。
顧客満足度が勝敗を分ける
飽和寸前のコンビニ業界では、大手チェーンが「いかにお店を増やすか」という点で、いろいろと知恵を絞っていることがお分かりいただけたかと思います。
店舗数を増やしていく「大きなサイクル」で増益ができなくなれば、「小さなサイクル」でいかに収益性を高めていくか――ということが勝負の分かれ目になるわけです。だからこそ、最近のコンビニはどこも「ウチのコンビニにしかない商品」の開発に躍起になっているのです。
しかし、実際にはPB商品のアイテム数は、コンビニで置かれている全ての品物のうち、ごくわずか。だからほとんどの消費者は、「どこのコンビニでも売っているモノ」を買いに、コンビニを訪れていることになります。
その点で、商品の差別化以外に今から注目しておきたいのが、各コンビニの顧客満足度です。本当の飽和がくれば、「無条件で最寄のコンビニへ」行っていた消費者は、少しずつ「私はこのコンビニで買い物をする」という判断をするようになってきます。
その軸として、今はPB商品が脚光を浴びていますが、前述の通り、ほとんどが「どのコンビニでも売っているモノ」になっている以上、商品以外の軸、すなわち接客態度やレジでの待ち時間、居心地のよさというような顧客満足度の点で、個々のコンビニの実力が試される時代が、もうすぐそこまで来ている、と私は思っています。
コンビニ各社の動向を、これからも注目していきましょう。
関連記事
- セブン&アイが、過去最高益を計上した理由
セブン&アイ・ホールディングスが、2013年3〜11月第3四半期で過去最高益を計上しました。同社は誰もが知るコンビニやスーパーのチェーン店を抱えていますが、なぜこのタイミングで最高益を実現することができたのでしょうか。決算短信を見ると……。 - コンビニが、何度も「おにぎり100円セール」を行うワケ
「おにぎり100円セール」――。コンビニの店頭にこんなポスターを見たことがある人も多いだろうが、何度もセールを行うことでどういった狙いがあるのだろうか。単に売上増を狙うだけでなく……。 - もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由
「電気・水道・ガス・電話などの利用料金はコンビニで振り込んでいる」という人も多いだろう。しかしこの「収納代行」……とにかく面倒で、コンビニオーナーだけでなく本部も「止めたい」と思っているのではないだろうか。 - コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.