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なぜ岡山少女監禁事件で「壁一面に少女アニメポスター」という情報が流れたのか:窪田順生の時事日想(4/4 ページ)
岡山の少女監禁事件でマスコミが「犯人の自宅に美少女アニメのポスターを貼っていた」と報じたことで、批判の声があがっている。それにしても、なぜこのような情報が流れたのか。背景にあるのは……。
胸をなで下ろしている連中がいる
先の新潟の監禁事件でも逮捕後、県警幹部は積極的に「監禁男」の奇行をマスコミにリークした。本人が後から「デタラメだ」と怒るほどガセもあった。なんでこんなに気前がいいのかと首をかしげていたら、少女が9年2カ月ぶりに救出された日、県警本部長が一報を無視して、温泉宿で賭け麻雀をしていることが明らかになった。さらに少女がさらわれた当初、少女わいせつの前科があった犯人が容疑者リストから抜け落ちていたというどでかいミスも。
ネットのみなさんは「マスゴミがアニメファンを犯罪者予備軍だと印象づける陰謀だ!」と怒ってらっしゃる。広い世の中だ。そういう陰謀もあるのかもしれないが、今回はもっとシンプルではないか。
「美少女ポスター」報道の裏で、ホッと胸をなで下ろしている連中がいることを忘れてはいけない。
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