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「アイスバケツチャレンジ」にある種の「いかがわしさ」を感じてしまう理由:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
先日放送された『24時間テレビ』の平均視聴率は、歴代6位の17.3%――。「アイスバケツチャレンジ」に挑戦した人の姿が、次々にネット上にアップ――。こうした“善意”に違和感を覚える人も少なくないのでは。その理由は……。
マスコミが詐欺話を見抜けなかったワケ
賢い人たちがたくさんいると言われる日本のマスコミが、なぜこんなしょうもない詐欺話を見抜けず、ドミノ倒しのように誤報の山を築き、募金詐欺の片棒を担いでしまったのか。
最大の理由は、「マスコミはマスコミが報じているものに対しては裏をとらない」という構造的な問題もあるが、日本人の「善意の人は疑ってならぬ」という信仰にも近い思い込みも無関係ではない。
「善意」は素晴らしい。人に生きる力をくれるし、社会に希望を与える。しかし、それを「正義」だと盲目的に信じて、他者に押し付け始めるとおかしなことになっていく。
24時間以内に3人指名だとかいう「アイスバケツチャレンジ」に多くの人が違和感を覚える理由はそんなところにあるのかもしれない。
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