「イオニスト」と「ららぽーたー」を比較してみた:消費者理解コトハジメ(1/3 ページ)
少し前ですが、巨大なショッピングモールで、休日を家族で1日中過ごす消費スタイルが話題になりました。今回は、イオンモールで過ごす「イオニスト」と、ららぽーとで買い物をする「ららぽーたー」を比較してみます。
一般社団法人日本ショッピングセンター協会のまとめによると、ショッピングセンターの新規開業件数が2013年に大幅に増加したそうです。ショッピングセンターの開業件数はリーマンショック、東日本大震災等の影響で2009年から減少傾向が続いていました。しかし、2012年に底を打ち、2013年からは回復基調が続いています。開業件数が前年を上回るのは6年ぶりで、それまでの反動もあり、事業者の出店意欲が高まってきたのは確かなようです。
ただし、2013年に増えたのは主に小型の施設でした。改正まちづくり3法が施行されて以降、大型施設の新規届け出が減っているそうです。大型施設の開発は大手のデベロッパーの優位性が高まってきています。集客力のあるテナントを誘致できるノウハウや実績から、大規模施設を開発しやすい自治体主導の再開発案件では、「安心して組める大手のデベロッパーに依頼するケースが増えている」という背景があります。
少し前ですが、全国各地にある巨大なショッピングモールで、休日を家族で1日中過ごしてしまう「イオニスト」という消費スタイルが話題になりました。「イオンモール」という大規模ショッピングセンターが、消費行動に影響を与えてきたのは確かです。しかし、イオンモールだけがショッピングモールではありません。別のショッピングモールに集まる人も、当然いるはずです。そんな背景からファッション専門紙『WWDジャパン』が「SC新時代」という特集の中で「ららぽーと」で買い物を楽しむ人たちを「ららぽーたー」と名付け、話題になりました。
というわけで、今回は「シングルソース消費者パネル『ぺるそね』」のデータから「イオニスト」と「ららぽーたー」を比較してみます。
デパート・ショッピングモール市場のブランドポジショニング
「シングルソース消費者パネル『ぺるそね』」には、「よく行くお店」はどこですか? という設問があります。その中の「デパート・ショッピングモール」のカテゴリーでは、3万473人のうち2万2193人が回答しています。ダントツは「イオンモール」、2位の「高島屋」にダブルスコアをつけています。
ベスト15位までを性別と年齢でポジショニングしてみると、年齢層の高いエリアに老舗百貨店のクラスターが存在しているのが分かります。性別、年齢がわりと近いところに集まっています。年齢層が低く、女性の多いエリアに「イオンモール」「三井アウトレットパーク」「ららぽーと」がポジショニングされ、さらに女性が多いエリアに「ルミネ」年齢が若いエリアに「丸井」が来ます。
縦軸を世帯年収に変えるとポジションが動きます。ひとかたまりだった百貨店群が年収の高い方と低い方に分かれ、「イオンモール」が年収の低い方に動き、「三井アウトレットパーク」「ららぽーと」「ルミネ」が近づき、「ルミネ」と同じくらいの年収のポジションに「丸井」が来ます。
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