“敬老の日”シニアケータイ商戦、格安スマホか大手キャリアか:親へ贈るスマホ、どちらがいい?(1/2 ページ)
敬老の日は、シニア向けスマホを親に贈る機会が増えるちょっとした商戦期だ。実績があるのは大手通信事業者の“らくらく”なシリーズだが、最近は“格安スマホ”にする選択肢もあるようだ。
敬老の日(9月15日)を前に、“シニア向け”ケータイの需要が高まっている。
NTTドコモは、シニア層向け“らくらく”シリーズとして、スマートフォン型「らくらくスマートフォン3」、折りたたみ式の従来型「らくらくホン8 F-08F」を新たに発売。利用者をやさしくサポートする聞きやすさ、話しやすさ、見やすさと、かんたんな操作性を軸にした電話・メールの基本機能に加え、新機種にはスマートフォンならではの高い性能を“家族とのきずなを深める”のために応用する新機能を盛りこんだ。
ソフトバンクモバイルは「シンプルスマホ 204SH」を、KDDIも従来型「簡単ケータイ K012」のほか、かつては「URBANO PROGRESSO」(2012年モデル)を用意するなど、大手通信事業者は従来型とともにスマートフォン型のラインアップも用意する。“贈りもの”の機会がある敬老の日は、通信事業者としても重要な商戦期の1つだ。
40代・50代までの現役世代は、スマホがある程度一般化した。ただ、60代以上シニア層の約65%はスマホを所持していない。難しそう、値段が高そう、今使っている機種で不満はないなどが理由と思うが、知人や子どもが持つスマホを見て、興味はある、従来型から乗り換えたいと考える人も相応に増えている。
ちなみに、最近の機種は「いかにもシニア向けにはしない」よう工夫する共通点がある。まだスマートフォンを使ってはいないが、現役時代に少しはIT技術には触れたので、ケータイをはじめとする機器の操作そのものにアレルギーはない。そんな「老人扱いはしないで」と思う現シニア層(60代〜70代)のため、上質なデザインの実現と、スマートフォンに対する不満・期待の声を集約し、商品化している。
中でもらくらくスマートフォン3は、“現役”世代が使っても、なるほど、よくできている。富士通のハイエンドスマホにも採用する高精度な日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS for らくらく」は、先進性のアピールというより、高精度の入力環境を「使いやすさの徹底」のために用いる。さらに「ファミリーページ」と呼ぶ家族専用のSNSのような独自機能を備えたのも、現在のICT環境や高性能なスマホを使ってこそ実現した工夫だ。「離れて暮らす家族」を想定し、スマホを使いこなす子世代(自分)からのメッセージや写真を、親のスマホのトップ画面(待受画面)へ自動で表示できるようにした。
機種単体はとてもよく考えられている。ただ、これを“親へ贈る”には少し高いハードルがある。通信事業者のやや高額な月額料金、端末価格、契約期間縛りなどだ。
一方、「スマホ料金を安くする」──そんな消費者ニーズに応える「格安スマホ(および格安SIM)」はどうか。格安スマホのサービス事業者も、敬老の日需要などを見込んだ販売戦略を打ち出している。
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