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おサイフケータイとは違う――iPhone 6/6 Plusで使える「Apple Pay」で何ができる?一般的なNFCとは互換性なし(1/5 ページ)

新型iPhoneと共にAppleが発表した新サービス「Apple Pay」。NFC採用ということで「日本でもiPhoneがおサイフケータイのように使えるのでは」と期待している人もいるだろう。Apple Payとは何か、どんなことができるのか取材した。

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 9月9日(米国時間)にAppleの発表会イベントが開催され、当初の噂通り、新型iPhoneの「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の2製品のほか、腕時計型のウェアラブル製品「Apple Watch」が発表された。これら目玉製品の発表に加え、Appleは新端末向けの新しいサービスとして「Apple Pay」も発表している

 Apple Payは、NFC(後述)を利用したモバイル決済サービスということで、NFCと互換性があるFeliCaを使ったおサイフケータイ機能がiPhoneで利用できるようになるのでは? と期待している人もいるのでは。本記事ではそのあたりも含め、Apple Payとはどのようなサービスか、何ができるのか、他のモバイル決済サービスとの互換性は……などを解説していく。


Apple Payの説明を行う米Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当シニアバイスプレジデントのEddy Cue氏

Appleが提供する、簡単に使える支払いサービス

 日々の買い物において、小銭の取り扱いを不自由に感じる人は多いだろう。現金を使わずともクレジットカードで買い物すればいいが、こんどは逐次サインが必要だったり、専用端末での4桁の数字のPINコード入力を求められたりと、必ずしも手軽ではない。Apple Payであれば、あらかじめクレジットカード情報を登録したiPhone 6/6 Plusの指紋センサー(Touch ID)に指を載せ、本体上端部を小売店のレジに設置された専用の読み取り端末に近付けるだけで決済が完了する。PINコード入力やサインの必要はなく、iPhone本体も画面が消えた状態のままで近付けるだけでいい。ここでのやり取りには無線通信規格である「NFC(Near Field Communication)」技術が用いられており、既存のNFCインフラがそのまま利用できる点が特徴だ。


Appleが公開したデモ動画でのApple Pay。iPhoneにあらかじめ登録されたクレジットカードの決済情報をNFC通信でPOSの読み取り端末に送信するだけ。登録されたTouch IDで認証を行うのでPINコード入力やサインは必要ない

 日本ですでに普及している「おサイフケータイ」を想像すると分かりやすい。現在販売されているiPhoneはおサイフケータイには対応しておらず、新たに発売されるiPhone 6/iPhone 6 Plusも日本のおサイフケータイ(FeliCa)には対応しないが、Apple Payは仕組み的には非常に似ている。2004年におサイフケータイが初めて提供されて以降、日本では都市部を中心にFeliCaのインフラが発達しており、最近では現金を持ち歩かずともおサイフケータイのみでほぼ生活可能なレベルにまで達しつつある。一方で日本国外でおサイフケータイに相当するインフラは韓国を除いてほとんど整備されておらず(香港では携帯電話からオクトパスカードを利用できるサービスを試験運用中)、Apple Payの登場で米国において初めて本格的に利用可能な環境が整いつつあるといえるかもしれない。

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