若者向けの発泡酒「キリン フレビア」はどのようにして開発されたのか:レモンの香り(1/3 ページ)
キリンビールとセブン&アイ・ホールディングスが若者向けの発泡酒「フレビア レモン&ホップ」を発売する。「若者のビール離れ」が指摘されているが、どんな商品を開発したのか。キリンビールの担当者に話を聞いた。
キリンビールとセブン&アイ・ホールディングスは11月19日、20〜30代の若者をターゲットにした発泡酒「フレビア レモン&ホップ」を共同開発したと発表した。レモン果汁などを使って苦みを抑えたほか、アルコール度数を3%と軽く飲みやすくしているのが特徴。全国のセブン-イレブンやイトーヨーカドーなどグループ約1万7300店で25日に先行発売する。300ミリリットル瓶のみで販売し、店頭価格は213円(税込)。年末までに約130万本の販売を目指す。
ビールにレモネードやピーチなどを加えた、いわゆる“フレーバービール”は欧米で若者を中心に浸透している。国内でも、飲食店やビールイベントなどで増えつつあり、両社はこうした動きに着目。「若者のビール離れ」が深刻化する中、新市場の活性化に力を入れていくという。
ビール党にとって、ビールといえば「のどごし」「苦味」「コク」などを求める人が多いと思うが、新商品ではその「苦味」を抑えた。また、レモンの香りが強いので「さっぱり」した印象がある。これまでにはなかった新感覚のビール類はどのようにして開発されたのか。商品開発を担当したキリンビールの土屋義徳さんに話をうかがった。
若者を調査
――「若者のビール離れ」が指摘されていますが、新商品「フレビア」は20〜30代の若者をターゲットにして開発されたそうですね。
土屋: 男性20代の飲酒割合は他の世代に比べて低いものの、74%が日常的に飲んでいるんですよね。女性をみると、20代(66%)は40代(68%)に次いで2番目に多い(博報堂生活総合研究所の調査より)。ただ、「ビールを好んで飲んでいる割合が低い」ことは大きな課題として受け止めています。
開発チームは、まず「その理由は何か?」といったところからスタートしました。いろいろな意見を交わす中で、「『ビール=魅力的ではない』との認識が広まっているのではないか」という声がありました。では、その問題に対して、ビール会社としてどういったアプローチができるのかを考えました。
若者を調査する中で、ビールといえば「仕事後みんなとプハーッとしたいけれど、ビールは重い」「缶ビールを買っている姿は見られたくない」といった意見がありました。一方、チューハイについては「飲みやすくて罪悪感がない」「瓶はおしゃれに飲める」などの声がありました。ビールは飲みたいが、飲みにくい、カッコ悪い。チューハイは飲めるが、甘い、子どもっぽい。若者のアルコール観については、このような傾向が浮き彫りになりました。
また、ビールの味覚についても調査したところ、50代に比べて20代は「苦味が少なく、軽い」モノを好むことが分かってきました。アルコールに対する価値観や味覚に“変化”が生まれている中で、どうすればいいのか。そこで、欧米の若者に人気がある「フレーバービール」に目をつけました。
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