輸出量7年で42倍! ニッカウヰスキーが海外で売れている&売ることができるワケ:仕事をしたら“ウイスキー”が売れた(2/6 ページ)
ニッカウヰスキーの商品が売れている。「NHKのドラマ『マッサン』効果があって売れているんでしょう?」と思われるかもしれないが、日本だけでなく、海外でも売れているのだ。その理由は……。
ウイスキーコンクールで高い評価
土肥: NHKの朝の連続ドラマ小説『マッサン』の影響を受け、日本でニッカウヰスキーが売れていますよね。でも、海外に目を向けると、売り上げの伸び率がものすごいことになっています。2006年には1800箱しか売れていなかったのに、2013年には7万6000箱に。国産のウイスキーがなぜこんなに売れるようになったのでしょうか?
楫: 国際的なウイスキーコンクールで高い評価を受けたことが大きいですね。2001年に英国のウイスキー専門誌によるウイスキーテイスティング大会(現在は「(ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」として開催)で、「シングルカスク余市 10年」が世界最高点を獲得しました。国産のウイスキーが最高点を獲得したのは、初めてのことだったんですよ。
その後も「余市」のウイスキーは、毎年のように国際的な賞を受賞しています。また、「竹鶴」もたくさんの賞をいただいています。例えば「竹鶴17年ピュアモルト」は、国際的なコンテスト「WWA2014」において、世界最高のピュアモルトウイスキーとして認定されました。国際的な賞をどのくらい受賞しているのか数えてみると、「余市」が24回、「竹鶴」が19回。このほかのブランドもさまざまな賞を受賞しているので、海外の人たちにニッカウヰスキーが認知されてきたのではないでしょうか。
土肥: どのようにして賞が決まるのですか?
楫: グラスの中にウイスキーが入っているのですが、銘柄は分かりません。いわゆるブラインドテイスティングによって審査されるんですよ。審査員はウイスキー専門家、小売業者、ジャーナリスト、蒸溜所のブレンダーなどが行うので、こちらができることは何もありません。
土肥: ほー。ロビー活動のような、ごにょごにょしたことは通じないわけですね。ジャパニーズウイスキーではなくて、“ジャパニーズマネー”のほうがスゴいといった話ではない(笑)。
楫: どの銘柄か分かりませんし、多くの人が審査するので、操作はできません。自社のブレンダーが「自分のつくったウイスキーに高い点をつけてやるぞ」と思ったとしても、金賞を手にすることはできません。かなり厳正に審査されますので。
土肥: それにしても賞を受賞するのは、そんなに影響力があるのですか? というのも日本ではそんなに話題になっていませんよね。つまり、海外ではウイスキーの賞を受賞することは、「So great!」といった感じなのですか?
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