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スカイマークがJAL、ANAとの“二股提携”を模索――その真相は?前代未聞(1/3 ページ)

経営不振に苦しむ新興航空会社のスカイマークが、日本航空だけでなく全日空にも共同運航を打診、2015年夏ダイヤ以降の実施に向けて認可申請を進めている。なぜこのような事態になったのか。大手2社との提携で、「第三極」としての存在価値は消滅してしまうのか? 航空ジャーナリストの秋本俊二氏に聞いた。

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 国内航空3位のスカイマークが経営不振で苦境に立たされている。その打開策として2014年11月にJALに支援を要請し、旅客や貨物分野でのコードシェア(共同運航)について両社で検討を始めた。ところが驚いたことに、翌12月にはJALのライバルであるANAにも同様なコードシェアを打診し、ANA側も同意する方針を固めたのである。


スカイマークが国内の各路線で運航するボーイング737-800(撮影:チャーリィ古庄)

 今後はJALとANAそれぞれと羽田発着便を中心に路線や便数を詰め、2015年3月以降の夏ダイヤからの実施に向けて年明けの認可申請を目指すというが、これでスカイマークは「第三極」としての存在価値を失してしまうのか? JALとANAとの“二股提携”で利用者に混乱は生じないか? コードシェアとはそもそもどういう仕組みなのか?

 以下、一問一答の形で検証していこう。

スカイマークはなぜ、JALとANA両社に支援を求めたのか?

――Q.スカイマークはなぜJAL、ANAの両社に支援を求めたのか?

Answer: スカイマークが支援を要請したのは本来、JALに対してだけである。最初からANAにも支援を求めたわけではない。そこに監督官庁である国土交通省が「待った」をかけた。JAL単独での支援ではなく、ANAとのコードシェアの可能性についても協議するよう指導を行ったのだ。なぜか?

 JALは経営再建中であり、国交省は「新規投資」および「路線開設」については2016年度まで実質的にストップをかけている。JALが公的支援を受けたことでライバルANAとの競争環境をゆがめてはならない、との理由からだ。かといって、羽田に36の発着枠をもつスカイマークが経営破たんし、消滅してしまうことも国交省としては避けたい。36の発着枠がJALとANAだけでなく、羽田就航を狙うLCCなどにも配分されれば、国内線での価格競争が激化してJALとANAの経営が圧迫されることも考えられる。そこでスカイマークのJALとの提携を許可する一方で、JALだけが路線を増やす結果にならないよう、ANAとの提携も求めた。


2014年11月にJALと提携協議を始めたのに続き、翌12月にはANAとの協議もスタート
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