なぜセブン-イレブンは“王者”であり続けるのか:仕事をしたら“2015年”が始まった(前編)(6/6 ページ)
セブン-イレブンの快進撃が止まらない。2014年4月に消費税が増税され、他のコンビニが苦戦する中、セブンは売り上げを伸ばした。セブンカフェやセブンプレミアムなど、なぜヒット商品を生み出すことができるのか。現役コンビニオーナーの川乃もりやさんに話を聞いた。
コンビニ業界の“王者”に君臨
川乃: ド定番を攻めることは、ものすごく大切。「ハンバーグ弁当」のハンバーグがおいしくなったら、お客さんは「また買おう」となる。いわゆるリピーターになるんですよ。でも「ハンバーグ弁当」のハンバーグの味が昔のままだったら、「じゃあ、他のコンビニのモノを買おう」となりますから。
となると、「ハンバーグ弁当」の売り上げが落ちるので、店舗側は発注を控えますよね。結果、「ハンバーグ弁当」を買いに来たお客さんが「ハンバーグ弁当」を食べることができなくなるんですよ。
土肥: 悪循環に陥るわけですね。
川乃: ドーナツに話を戻しますが、セブンはミスドの“定番に近いモノ”を発売する。誰に何を言われようが、とにかく「自社で開発した」と言い切るわけです。一方の競合他社は、定番ではなく、枝葉のモノを発売するかもしれません。
土肥: あっ、なるほど。「ハンバーグ弁当のにんじん」のような感じで。
川乃: はい。
土肥: 競合他社は「ウチは、他社がこれまで扱っていない独自の商品を開発しました」とアピールする。しかし、それが売れなければ、次にド定番を発売するということですね。
川乃: いい感じで、ブレてますねえ(笑)。セブンのドーナツをみると、誰が見ても「ミスドの商品に似ているなあ」と感じるはず。しかし、セブン側は「基本的には独自に開発している」と反論しています。つまり、堂々とブレていない。こうした小さなことが積み重なって、セブンはコンビニ業界の“王者”に君臨し続けているのでしょうね。
(つづく)
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