ぜんぶ妖怪のせい? 正しく使おう「妖怪ウォッチ教育法」:問題の外在化(3/4 ページ)
テレビだけにとどまらず、映画も大ヒットしている『妖怪ウォッチ』。しかし「なんでも妖怪のせいにする」子どもが増えていて、問題視されているのだ。妖怪ウォッチが引き起こした「何でも妖怪のせい」現象を心理学的に解明してみると……。
「問題の外在化」のポイント
「問題の外在化」は「問題解決志向のアプローチ方法」です。その問題の責任は誰にあるのかをくどくどと追及することはしません。責任の所在については、いったん置いといて、とにかく問題そのものを解決しようという考え方です。
具体的に「問題の外在化」=「妖怪のせいにすること」について見ていきましょう。今回は「部屋をきれいに片づけられない」という場合を考えてみましょう。
「どうして、あんたは部屋が片づけられないの!」と言う風に考えてしまうとき、「部屋を片付けられない」という問題が子どもの内面にあるように捉えていると思われます。まるで、遺糞症が子どもの内面にあるように感じ、子どもの人格まで否定しかねなかったあの母親のように。
そうではなく、子どもの責任は問わないから、一緒に考えていこうよという姿勢の方がよっぽど生産的ではありませんか?
しかし、そもそも子どもが「妖怪退治」に参加しようとしないケースもあるでしょう。ただ「妖怪のせい」といって、誰が部屋の片づけをしなくちゃいけないのかをうやむやにしてしまうということが多くあると思います。このときに子どもを叱っても、子どものやる気をそぐだけで得策ではないですよね。
解決策の1つとしては、1つ次元を上げて「子どもを妖怪退治に参加させようとしない妖怪」の退治に取り組むということが考えられます。やる気がないのだったら、その原因は何だろうということを、一緒に考えてみることが一番大切です。そういう風にどんどんと考えていくと、思わぬところに原因があるかもしれません。
「掃除しない子どもVS. 掃除してほしい親」という構図になってしまうと、対立になってしまいますが、「妖怪VS. 私たち(親、子ども)」の構図にして、一緒になって問題解決にあたるという姿勢が「問題の外在化」を利用したベストな方法と言えます。
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