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ネット上で、日本人が“残念”であり続ける4つの壁烏賀陽弘道の時事日想(5/5 ページ)

FacebookやTwitterなどを見ていると、英語を使う人が登場すると、日本人は潮が引くようにいなくなる。もし自動翻訳機が登場すると、ネット上で行われている議論の場に日本人が増えるのだろうか。

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ますます閉鎖的で均質に

 まとめると、インターネット世界では次のような格差が障壁として残る。

(1)言語が普遍的か特殊か。

(2)文化が普遍的か特殊か。

(3)コンテンツの発信力の高低。

(4)個人のコミュニケーション能力の高低。

 日本文化集団は、この(1)(2)(3)(4)のいずれにおいても不利である。かくして、ネット上での日本語のやりとりには、異文化からの知識や情報、視点の違いはほとんど流れ込んでこない。ますます閉鎖的で均質になる。そんな結論になる。

 「ネット上では、人々は似た価値や文化の持ち主との会話を好む」「その結果、ネット集団の中では意見や思考が均質化し急進化する」。そうした「ますます閉鎖的で均質的になっていく集団」と、ネットのグローバル性を謳歌(おうか)し「ますます開放的で多様になっていく集団」と。世界は、そうした「二つの集団」に二極分化するだろう。そして、わが日本文化集団の大半は、英語など外国語を使える少数を除いて、前者の「負け組」にならざるをえない。私はそんな未来図を描いている。

 少なくともFacebookやTwitterといったSNS上ではそれがもう現実になっている。

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