ベルギーフライドポテト専門店という“ニッチ戦略”は成功するか:「世界遺産」級の味を日本でも(3/3 ページ)
「ベルギーを代表する食べ物は?」と聞かれたら、ビールやワッフルと答える人は多いだろう。一方で、フライドポテトがベルギー人の文化として深く根付いているのを知る人は少ないかもしれない。そうした認識を変えたいと、昨年末、東京にオープンしたのが専門店「POMMEKE」だ。
国内2号店、そしてアジアに
2014年12月23日にオープンしてからおよそ1カ月。客足はどうか。来店客の7割程度が女性で、そのほか、ベルギーに駐在や留学、旅行した経験がある日本人客が多いという。主な顧客年齢層は25〜60歳と幅広い。
全体的な傾向として、昼前後はテイクアウトが多く、夜はビールやサイドディッシュの注文が増える。客単価は平均で1000円程度。「バーではないので、夜はフライドポテトとビールを1〜2杯飲んで帰るお客さんが多い」とナイレン氏。
POMMEKEが顧客に伝えていきたいのは、フライドポテトというベルギーの文化だ。「日本でフライドポテトはわき役のイメージだが、これを主役にするためには人々の常識を変えていかないといけない。それを実現してこそPOMMEKEの存在価値があるのだ」とナイレン氏は力を込める。
この1号店が軌道に乗れば、事業拡大のために2号店を検討する可能性も十分にあるという。さらには海外展開も視野に入れる。日本と同じく、アジア地域にもベルギーのフライドポテト専門店は皆無であるため、彼らにも本場の味を紹介していきたいとする。実際、アジアの大都市に出店する計画も出ているそうだ。
そして最終的には、ベルギーにPOMMEKEを開業することを夢見ている。
「本場ベルギーのフライドポテトを日本の皆さんに食べてもらいたいという、15年前に思い描いた夢が叶った。ベルギーに店舗を持つなど夢かもしれないが、実現を信じて一歩ずつ進んでいきたい」(ナイレン氏)
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