LINE、継続的な品質改善がユーザー確保の原動力に:3分で分かる LINEのビジネス戦略(1/2 ページ)
無料コミュニケーションアプリ「LINE」を提供するLINEのビジネス動向や重点領域などを聞いた。
Business Media 誠では、売り上げを伸ばしている成長企業や、話題の商品・サービスを提供する企業など、さまざまな業界で注目を集めている会社を中心に、各社のビジネス戦略を知るための連載をスタートします。初回は、LINEです。
2015年は決済サービスやO2Oに注力
――現在の市場環境についてご説明ください。その環境をどのように受け止めていますか。
世界的にスマートフォンが急速に普及していることによって、これまでのインターネットでは手の届かなかった領域に接触可能になっています。ユーザーの情報との接し方やライフスタイル、消費行動そのものがスマートフォンによって変化しました。
例えば、O2O(オンラインツーオフライン)領域を中心に、さまざまな企業がユーザーの生活に入り込み、新しいサービスやビジネスモデルを展開することで、競争が加速しています。
そうした中、LINEは特にコミュニケーションや人間関係という領域から、世の中を便利にしたり、付加価値があることを積極的に提供していきたいと考えています。リアル領域のサービスも増えていくでしょうし、送金・決済サービス「LINE Pay」を中心とした世界も大きく発展していくと思います。
――どのような目的・ビジョンを持って活動されていますか。
LINEはユーザーの日常にとって身近なプラットフォームとなるべく、現在提供しているサービスおよび新規事業を通して、新たなビジネスモデルを創出し、ユーザーの利便性を高めるための取り組みを推進しています。
――2015年の企業戦略について聞かせてください。
2014年10月のカンファレンスで発表したサービスを軌道に乗せ、安定的に提供していきたいと考えています。2015年は、新規事業の中でも2014年12月に提供を開始したLINE Payを中心に、「LINE@」などのO2Oサービスを積極的に拡大していきます。
また音楽配信事業の進出や、現在日本国内で展開しているスマートフォン向け電子コミックサービス「LINE マンガ」のグローバル展開を通し、エンターテイメント分野おいてもサービスを拡充していく予定です。さらに日本で展開しているサービスのグローバル化も進めています。
――直近の決算の数字をどのように受け止めていますか。
堅調に成長しています。2014年10〜12月期の当社の売上額は261億円(前四半期比10%増、前年同期比78%増)となり、2014年通期の売上額は863億円。また、基幹事業であるLINE事業の2014年10〜12月期の売上額は236億円(前四半期比10%増、前年同期比92%増)、2014年通期の売上額は774億円でした。
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