総合格闘技「UFC」に激震――人気選手に薬物反応、どうする?:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
総合格闘技「UFC」に激震が走っている。トップクラスのファイターに薬物反応が出て、今後の対策を発表。団体は「第三者機関を使って検査を行う」としているが、この問題を解決することはできるのだろうか。
問題の根は深い
第三者機関を使っての検査には数百万ドル規模の莫大な経費がかかるとみられるが、そこまで費やさなければならないほど今回の問題は根が深い。前出の3選手から検出された禁止薬物はディアスがマリファナ、シウバとロンバードがステロイドであった。ディアスのマリファナ使用が発覚したのはこれで2度目だが、シウバとロンバードに陽性反応が出たのは今回が初めて。当然ながらディアスのマリファナ使用も言語道断とはいえ、スポーツ界での使用が「タブー中のタブー」とされているステロイドの摂取が発覚したシウバとロンバードには今後もかなりの強さの風当たりが予想される。
シウバは「私はパフォーマンスを高める薬を使ったことがない」と一貫して“シロ”を強調し続けている。しかし、かつて絶対王者と呼ばれた彼の場合は特に「いつから使っていたのか」にも疑惑の目が向けられている。成り行き次第では、過去の栄光が音を立てて崩れ去るとともに、総合格闘技というスポーツの根幹を揺るがす事態にもつながりかねない。
米スポーツ専門局『ESPN』が「シウバのステロイド使用疑惑は、MMA(総合格闘技)にとって一大事。MLB(メジャーリーグベースボール)のケースに例えれば、通算本塁打世界記録をマークしたバリー・ボンズ氏にステロイド使用疑惑が明るみに出たことに匹敵する」と評した。確かにその通りだろう。
関係者の話を総合すると、シウバから今回検出されたステロイド性薬物は「マステロン」と「アンドロゲン」。筋肉増量に絶大な効果を持つステロイドを使うと筋肉が保水することで体重増加につながる副作用になりやすいが、前者のマステロンを使用すると筋力増強だけでなく体内の脂肪を燃やす傾向があって減量が苦になりにくくなる。
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