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バーバリーの後継ブランド「マッキントッシュ ロンドン」の勝算:カギはブランド認知(2/2 ページ)
バーバリーとのライセンス契約が終了する三陽商会の後継ブランド「マッキントッシュ ロンドン」が新作を発表した。ビジネスを中心としたメンズアイテムを増やすほか、雑貨も展開することにより富裕層向けのブランドとしての地位を確立したい考えだ。
伝統をアピールできるかがカギ
マッキントッシュは2014年秋に発表した中期5カ年計画で、2018年度の売上目標を300億円としているが、その数値を達成するにはブランドの認知向上が欠かせない。チャールズ・マッキントッシュが世界初の防水布マッキントッシュ・クロスを発明し、ゴム引きコートを世に送り出したのが1823年。1856年に創業したバーバリーに先んじており、上流階級の乗馬服として愛用され、英国陸軍や英国国有鉄道で採用されたという歴史も遜色ない。
ただ、バーバリーと比べて知名度が低い。バーバリーは1919年にコート・ジャケットが英国御用達となり、さらに1920年代にチェック柄で一大ブームを巻き起こしている。
佐久間氏は「これまでとは販促、宣伝手法が大きく異なる。ここにかなりの額を投資する予定」と語り、マッキントッシュのアイコンとなるボタンやハウスチェック(チェック柄)を中心としたプロモーションに力を入れることを示唆した。「バーバリーチェックとの違いを顧客にどう認知してもらえるのか」(百貨店関係者)という課題がつきまとう中、クラシックとモダンを融合するというコンセプトと品質に加えて、その伝統をアピールできるかがカギになりそうだ。
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