ポテトチップス事業でも年率5%成長目指す カルビー・伊藤社長:新市場に参入
発売から40周年を迎えたカルビーの「ポテトチップス」。さらなる売り上げ増に向けて同社が打ち出した戦略とは……。
菓子メーカー大手のカルビーは3月23日、主力商品「ポテトチップス」の事業戦略発表会を開催した。同商品は1975年の発売から40周年を迎え、同社の国内シェアも7割近くと成熟した感があるが、「今後も年率5%で成長し、2017年には売上高1150億円を目指す」と、同社の伊藤秀二社長兼COOは意気込んだ。
カルビーの2014年度通期の売上高は2130億円、営業利益は225億円、営業利益率は10.6%の見通しだ。成長のドライバーとなっている事業分野は大きく4つ。ポテト系スナック、フルグラ、北米ビジネス、そしてコーン系スナックである。ポテト系スナックにおいては、特に「じゃがりこ」や「堅あげポテト」が好調で、ポテト系スナック全体の2014年度第3四半期売上高(累計)は前年同期比で49億円も伸ばした。
現在、カルビーのスナック国内シェアは販売金額ベースで53.9%、ポテトチップス国内シェアは69.4%(インテージ「SRI」調べ)だが、近い将来にそれぞれ67%、75%に拡大する目標だ。それに向けて同社が新たに取り組むのが、筒入成型ポテトチップス商品である。2015年秋に新商品「ポテトチップクリスプ」のうすしお味とコンソメパンチを発売する。
日本では既に成型ポテトチップスは、「プリングルズ」(森永製菓)や「チップスター」(ヤマザキナビスコ)が大きなシェアを持つ。これまでカルビーは、袋ポテトチップス商品とカップ・箱ポテトスナック商品でビジネスを展開してきたが、200億円と言われる成型ポテトチップス市場に参入し、ここでもトップシェアを狙う。「数年後には売上高100億円、シェア43%を獲得する」と伊藤社長は力を込めた。
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