「世紀の一戦」に勝利したメイウェザーの、知られざる“素顔”:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
プロボクシングの世界ウエルター級タイトルマッチに、世界中のファンが注目した。勝利したメイウェザーは47戦無敗のまま5階級を制して成り上がった「天才」だが、素行が悪い「問題児」。そんな彼の素顔とは……。
パッキャオは「ベビーフェース」、メイウェザーは「ヒール」
ボクシング関係者の間から「勝ち名乗りを上げた側が『パウンド・フォー・パウンド(仮に体重差がなかった場合に最強と呼ばれる称号)最強ボクサー』」とまで言われていた両雄の対決は、大半のファンが待ち望んでいたKO決着とはならなかった。結局判定まで持ち越され、リングアナウンサーから勝利のコールを告げられたのはメイウェザー。だが、超満員に膨れ上がった試合会場からは耳をつんざくほどの大ブーイングが沸き起こった。
スピーディーな動きで積極的に接近戦での打ち合いをのぞもうとするパッキャオに対し、オーソドックススタイルのメイウェザーは左ジャブで距離を保ちながら要所で右カウンターを狙う得意のアウトボクシングを終始徹底。パッキャオが打ち終わるところで右の有効打を的確に当てる展開が目立ち、これでポイントを稼いだ。
もともとメイウェザーは圧倒的なスピードを駆使しながら卓越したディフェンステクニックで相手の攻撃をかわし、リスクを冒さずに手数が少なくても有効打でポイントを重ねていくのが基本的なファイトスタイル。だが最後までアグレッシブに動き回って攻め続けていたのはパッキャオだっただけに、判定の結果に納得できなかった人も多かったようだ。とはいえ、結果は結果である。
パッキャオが「ベビーフェース」、対するメイウェザーは「ヒール」という構図も試合後のブーイングにつながった。なにゆえにここまでメイウェザーは悪役扱いされているのか。そこには彼のボクシングスタイル同様、パンチを打っては離れて相手との距離を置く「ヒット・アンド・アウェイ」のような生き様とライフスタイルが大きくからんでいることを見逃してはならない。
プライベートでは素行不良を繰り返し、内縁の妻へ暴行を働くなど数度に渡って起訴され、2012年には有罪判決を受けて刑務所に収監されたこともある。こうした「悪の履歴」を見ればメイウェザーがヒールとされるにふさわしく、とんでもない札付きのワルであることは間違いない。
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