なぜ亀田3兄弟は毛嫌いされるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
プロボクシングで活躍する亀田3兄弟へのブーイングが止まらない。世界王者に善戦し、僅差による判定負けでも非難されている。ギネス世界記録に認定された史上初の3兄弟世界王者なのに、なぜ毛嫌いされるようになったのか。その理由を探っていくと……。
亀田3兄弟が嫌われるワケ
一体なぜ亀田3兄弟はここまで毛嫌いされるのか。その背景を探ってみると、実はメディアによって作られたレールに喜んで乗っかったものの脱線してしまい、大きな墓穴を掘ってしまった亀田一家の悲哀が浮かび上がってくる。
そもそも亀田3兄弟のネーミングが世に浸透するようになり始めたのは、2003年11月。長兄・興毅が17歳でプロボクサーとなり、これによって父・史郎氏からボクシングの熱血指導を受け続けている3兄弟の存在がメディアによって一躍脚光を浴びるようになってからである。
そしてアマチュア時代から3兄弟に密着するなどいち早く目を付けていた某民放局が亀田陣営と交渉して興毅の試合の独占中継権を得るようになると、テレビ中継の影響に後押しされる形で「亀田一家」に関する報道も一層過熱。同局の関係者を筆頭に新聞・テレビなど各社を含めたメディア側は「そのほうが絶対に面白いし、万人受けするから」として3兄弟に対し、段々と際立った個性的なキャラクターを要求するようになっていった。当時“亀田番”を務めていた前出の民放局とは別のテレビ局関係者は次のように言う。
「もともと息子たちに対する史郎氏のボクシング指導の内容がスパルタ方式だったから、それをベースにした高慢なコワモテキャラになることを我々メディア側は3兄弟に求めた。だから当時、3兄弟の中で露出度の一番高かった興毅には対戦相手をコキ下ろさせたり、自分こそがナンバーワンなんだという発言を口にさせたりするための“誘導質問”を我々は取材で何度も繰り返したのです。
興毅も相手をリスペクトしない性格の持ち主であったから喜んでそういうキャラになってコメントしていましたよ。大毅や和毅もメディアの前で長兄と同じキャラになっていましたが、基本的に興毅と同じ性格だったから完全にノリノリのオーバーアクションで“ワル”ぶりを演じていましたね」
関連記事
- 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - ご存じ? 今「新日本プロレス」が盛り上がっている
「プロレス? 昔は好きだったけどなあ」という人も多いのでは。日本のプロレス界は長きに渡って低迷を続けているが、実は1社だけ“ひとり勝ち”をしている団体がある。「新日本プロレス」だ。 - 止めることはできなかったのか 女子プロレスで起きた“事件”
女子プロレスでぼっ発したケンカマッチが、マット界を揺らしている。王者の世IV虎(よしこ)が激しいパンチを浴びせ、挑戦者の安川惡斗(やすかわあくと)は重傷。プロレスでこうした“事件”がたびたび起きるが、なくすことはできないのだろうか。 - 「世紀の一戦」に勝利したメイウェザーの、知られざる“素顔”
プロボクシングの世界ウエルター級タイトルマッチに、世界中のファンが注目した。勝利したメイウェザーは47戦無敗のまま5階級を制して成り上がった「天才」だが、素行が悪い「問題児」。そんな彼の素顔とは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.