知らず知らずのうちに“あの本”を読んでいる? ビジネス書の10年を振り返る:水曜インタビュー劇場(読書公演)(7/7 ページ)
ビジネス書のベストセラーをみると、ちょっと気になることがあった。10年ほど前には「お金」に関する本が上位に並んでいるのに、いまは少ない。5年ほど前には「仕事術」に関する本が目立っていたのに、いまは少ない。その理由は……。
低成長社会への備え方
苅田: (2)の低成長社会への備え方について。株価が上がった、景気が良くなったと言われていますが、どこかで不安を感じている人が多いのではないでしょうか。「アベノミスクはどこまで続くのだろうか」「東京オリンピック後はどうなるのだろうか」「日本の人口は減少していくけど、経済は本当に大丈夫なのか」といった感じで。ジェットコースターでいえば、いまは一番上に登っているところで、この先どこまで落ちていくのかが分からない状況。落ちていく可能性が高い中で、自分たちはどのように備えていけばいいのか。そうしたことを知りたい人が増えてくるでしょう。
土肥: 株価が上昇していますが、「いつ下がるんだ」と不安を感じている。東京オリンピックの開催を受けて、東京の不動産価格が上昇傾向にありますが、「いつ下がるんだ」とびくびくしている。そんな人が多いのかもしれません。
苅田: 最後に(3)の新技術との向き合い方について。海外では「人口知能が増えると、こうした世の中になりますよ」といった本が増えています。このテーマについては、海外の翻訳本が中心になると思いますが、日本でもよく読まれるのではないでしょうか。
土肥: プロ野球が開幕する前に、解説者が順位予想をしますが、ほとんど外れています。苅田さんがお話された「これから流行りそうなビジネス書」もそうならないように期待していますね(ニヤニヤ)。
苅田: あ、あくまで予想ですので、厳しい“突っ込み”はご勘弁を(汗)。
(終わり)
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