藤川球児が独立リーグ入りを選んだ「真の狙い」:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
テキサス・レンジャーズからフリーエージェントになっていた藤川球児投手が独立リーグの高知ファイティングドッグスに入団することが決まった。多くの人はこのニュースを聞いたとき驚いたと思うが、彼はなぜ“陽の当たらない場所”を選んだのか。
夢舞台はイバラの道だった
藤川は阪神タイガースで「火の玉ストレート」と呼ばれる直球を主体にセットアッパー、クローザーとして一時代を築き、2012年オフに海外FA権を行使して長年思い描いていた憧れのメジャーリーグへの挑戦を実現させた。ところが「向こうで(現役の)最後までやるつもりでやってくる」と力強く宣言したはずの夢舞台はイバラの道であった。
2012年12月に2年総額年俸950万ドル+出来高の好待遇でシカゴ・カブスに入団。カブスのセットアッパーとして期待を一身に背負い、2013年シーズン開幕戦(同年4月1日、ピッツバーグ・パイレーツ戦)で9回二死からマウンドに立って初登板初セーブをマークしたものの、同年5月下旬に右前腕部の張りを訴えて故障者リスト(DL)に入り、その後右ひじにメスを入れることを球団側と話し合って決めた。次の年の2014年8月に長期間のリハビリを経てメジャー再昇格を果たしたが、存在感は示せずじまい。同年オフにFAとなってチームを退団した。
その後、テキサス・レンジャーズとメジャー契約を結んで貴重なブルペン要員としての活躍を期待されながら、キャンプで右足の付け根を痛めて開幕からDL入り。5月14日にレンジャーズで初登板を果たしたものの打ち込まれ、結果的に今季は中継ぎで2試合を投げて防御率16.20と惨(さん)たんたる成績だった。これにより藤川は「DFA」と呼ばれる通達を球団側から受け、メジャー40人枠を外れたことで自ら退団の道を選んだ。
「藤川はレンジャーズのフロントからマイナーからの再調整を勧められてそれがイヤで自由契約にしてもらったのだから、完全な戦力外通告を受けての解雇というわけではない。レンジャーズのフロントは開幕当初の方針を変えてチームの若返りを目指そうとし始めたことも、藤川にとっては運が悪かった」と指摘する関係者もいるようだが、これはかなりポジティブな見方だ。
メジャーの球団はいかなる理由があるにせよ、本当に必要な選手に対してはマイナー降格の指示などまず出さない。そう考えれば、藤川は球団から「肩叩き」をされたととらえるのが妥当だろう。酷な言い方かもしれないが、それがひいき目で見ない現実的な見解だ。
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