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藤川球児が独立リーグ入りを選んだ「真の狙い」:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
テキサス・レンジャーズからフリーエージェントになっていた藤川球児投手が独立リーグの高知ファイティングドッグスに入団することが決まった。多くの人はこのニュースを聞いたとき驚いたと思うが、彼はなぜ“陽の当たらない場所”を選んだのか。
藤川は日本に帰って男を上げた
確かに所属選手の平均月給が10万円と言われる独立リーグ・四国アイランドリーグplusでのプレーは、これまで高額年俸を手にし続けてきた藤川にとってそれこそタダ働き同然の環境となるだろう。それでも現状で商品価値がないまま古巣・阪神の温情に甘えてプレーするという“美しくない選択”を取って目先の高いカネを得るよりも、ゼロからのスタートで「お金じゃない」という姿勢を打ち出し、故郷にも錦を飾るほうが万人受けは絶対にいいに決まっている。「藤川球児」というブランドも低下しない。仮にこのまま四国アイランドリーグplusで引退することになったとしても同じだ。将来的な第二の人生の身の振り方についてのことも考えれば、メジャーで屈辱的な挫折を味わって自らの経歴にキズをつけてしまった藤川にとって独立リーグ入りは確かに得策であり、起死回生の挽回ができる奥の手であった。
メジャー移籍は残念ながら失敗に終わってしまったが、藤川は日本に帰って男を上げた。メジャーを諦(あきら)め、日本プロ野球界に戻りながら高額年俸に見合わない体たらくが続くソフトバンクの松坂大輔投手やオリックスの中島裕之内野手にツメの垢(あか)でも煎じて飲ませたい気持ちである。自分の置かれた立場や商品価値を冷静に見極められる藤川の分析力については、ビジネスパーソンも参考にできる点がきっとたくさんあるだろう。
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