えっ、予定通りに飛んでいない? 機内で何をしているのか、パイロットに聞いてきた:水曜インタビュー劇場(パイロット公演)(7/7 ページ)
晴れている日もあれば、雨の日もある。無風のこともあれば、風が強いこともある。さまざまな状況の中で、パイロットはどのような会話をしているのか。JALの機長に聞いてきた。
初対面で仕事をすることがほとんど
土肥: それにしてもパイロットって大変ですね。狭い空間の中で、仕事をしなければいけません。しかも人の命を預かっているので、プレッシャーもある。しかもしかも気の合う人であればいいですが、人間なので「こいつ……」と思うことがあるはず。
酒巻: あまり知られていないかもしれませんが、コックピットに乗る機長と副操縦士ってほとんどが初対面なんですよ。
土肥: ほー。
酒巻: 会社の廊下ですれ違ったことがあるので「この人は見たことがあるな」というケースもあれば、「この人は見たことがない」というケースもあります。初対面にもかかわらず、密室で2人きり。しかも国際線であれば10時間も……こんな仕事ってなかなかないですよね。
土肥: ない、ない。話は変わりますが、どこかのIT企業は社内公用語が英語。基本的に英語で話さなければいけないそうですが、会議ではたまにこうしたケースがあるそうです。「ここからは重要な説明になりますので、日本語で話させてください」と。パイロットって「英語はペラペラ」の印象があるのですが、コックピットの中でも英語で話すのですか?
塚本: 英語で話さなければいけない……ということであれば、私は無口になりますね(苦笑)。
土肥: ははは。
塚本: 管制官とのやりとりは英語でなければいけません。ただ日本国内の場合、緊急を要するとき、うまく伝えることができないとき、日本語を使うことがありますね。
土肥: ここまでパイロットがどんなコミュニケーションをとっているのかを中心に話を聞いてきました。判断・決断の連続ということですが、次にパイロットがコミュニケーション能力を高めるためにどんな教育を受けているのか。教えていただけますか。
塚本: 分かりました。
(つづく)
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