インタビュー
ヒットの香りがプンプン漂う「ザ・トースター」は、どのようにして完成したのか:水曜インタビュー劇場(トースター公演)(7/7 ページ)
バルミューダの新商品「ザ・トースター」が注目されている。食パンなどが“しっとり感”を保ったまま、焦げる手前の焼き加減で仕上がるので、試食会に多くの人が殺到しているのだ。ヒットの予感が漂うこの商品は、どのようにして完成したのか。同社の寺尾社長に話を聞いた。
なぜ小さな会社でできたのか
土肥: なるほど。数々の困難を乗り越えて、これまでにはなかったトースターが誕生したわけですが、ちょっと疑問があります。家電量販店のトースター売り場に行くと、たくさんの商品が並んでいます。像さんのマークや虎さんのマークが入った商品など、ほとんどのモノが大手メーカー。しかも昔から機能はほとんど変わっていません。パン屑受けが下のほうに付いていて、掃除がしやすくなったことくらい(笑)。でもこれって“本丸”を突いていません。トースターの役割は、上手に焼くこと、おいしく焼くことですから。
トースターを使ったことがある人であれば、一度はこのような経験をしていると思うんですよ。1枚目のパンを焼くときには3分かかった。じゃあ、2枚目も3分で……としたのに、焦がしてしまったことが。
開発している人たちは、こうした問題があることは分かっているはずなのに、それが解決されてこなかった。解決しようとしたのに、できなかったのか、そもそも解決するつもりがなかったのか分かりませんが、バルミューダはそれを解決された。
大手メーカーでできなかったことが、なぜ従業員50人ほどの小さな会社でできたのでしょうか?
寺尾: それはですね……。
(つづく)
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