一軍登板なしの男がメジャー昇格! 村田透の“リベンジ魂”:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
元巨人にいた村田透投手をご存じだろうか。ドラフト1位指名され入団したものの一軍登板がなく、わずか3年で戦力外。その後、マイナー契約を結び、2011年から海を渡った男の“リベンジ魂”をご紹介しよう。
競争に打ち勝って夢をつかんだ
プロの世界に入って、まだ一度も光の当たるマウンドに立てていない。だから絶対に立ちたい。そして立って、自分をここまで支えてくれた人たちに恩返しをしたい。あの時に評価してくれなかった球団幹部をギャフンと言わせたい――。前出の球団関係者は巨人を辞めた直後の村田から、このような言葉を直接聞いていたという。
「とても胸が詰まりました。でもオマエならば必ずやれるよ。絶対にやってくれ。応援しているからな。そう言って送り出すと、村田は少しだけ笑顔を見せてうなずいていました」
そんな村田に2010年のトライアウトで目をかけたのが、メジャーリーグ球団のインディアンスのスカウトだった。千載一遇のチャンスを得て、そしてそこから競争に打ち勝って夢をつかんだのだから村田は本当に大した男だ。
今回はダブルヘッダーの日に限って1人多く選手登録できる規定によるメジャー初昇格。いわば「スポット昇格」でありながらテリー・フランコーナ監督から初登板について「負けはしたが、堂々といい投球をしていた」と一定の評価をされ、メジャー出場の前提となる25人枠に入った。
6月29日に予定通り3A降格となったが、今後はチーム状況の流れいかんで上からお呼びがかかりやすい状態となったことでメジャー再昇格に望みもつながった。「まだまだ夢の途中です」と目を輝かせて語った村田。一時期“お家騒動”で世間を騒がせた当時の球団幹部は、今の村田を見てどんな思いを抱いているであろうか。いずれにしても「為せば成る」である。
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