「天気を変えろ」という命令でも“NO”と言ってはいけない:外資系エグゼクティブの働き方(1/3 ページ)
いかなる場合でも、エグゼクティブには“NO”という言葉は通用しません。「私は仕事ができません」と自ら答えているようなもの。“NO”というのはクビを覚悟するのと同じことなのです。
集中連載:「外資系エグゼクティブの働き方」について
この記事はフラナガン裕美子著、書籍『どの会社でも結果を出す「外資系エグゼクティブ」の働き方』(日本実業出版社)から一部抜粋、再編集したものです。
グローバル化が進むなか、「ここは日本だから……」という言葉はもはや通用しません。「どの会社でも上に行ける人」には、5つの共通点があります。
・行動法則1:「正しいワンマンスタイル」で人を動かしている
・行動法則2:世界基準の「リスクヘッジ力」と「決断力」を磨いている
・行動法則3:時間に支配されずに、自ら「コントロール」している
・行動法則4:「謙虚さ」と「プライド」を併せ持っている
・行動法則5:「柔軟性」を持ちながらも、「信念」はブレない
本連載では、数々の外資系企業で“モンスターボス”たちをサポートしてきた敏腕秘書が、数々のエピソードとともに世界中どの会社でも「結果を出す人」の共通点について紹介。日本企業のリーダーにこそ知ってほしい、世界基準のマネジメントのポイントをおさえます。
今回は、外資系エグゼクティブのメンタリティについて見ていきたいと思います。
仕事をしていれば、「できない」「不可能」と言わざるを得ない現実を突きつけられることもあります。
しかし、いかなる場合にもエグゼクティブには「NO」という言葉は通用しません。前回お話しした通り、「自分の欲していることはこれ」と言われたら、何が何でもそれを提供しなければなりません。そこで「NO」というのはクビを覚悟するのと同じこと。自ら「私は仕事ができません」と答えているようなものです。
あるとき、米国人のボスがお客さまとのゴルフ接待を予定していました。ですが、予定日の天気予報を見ると、悲しいくらい傘マークのオンパレード。ボスにその旨を告げると、ひと言。
「じゃあ、君が天気を変えるしかないね」
これはジョークではありませんでした。その証拠にボスの目は笑っていません。そのひと言で、目が覚めました。私の言い方が間違っていたのです。
天気が悪いなら、それを私がどうにかしなくてはなりません。とはいえ、天気はどうにもなりませんから、どうにかしてボスを満足させる代案を持ってくることです。単に「できない」のではなく、代わりに「限りなく満足に近いアイデア」を提案すべきだったのです。
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