iアプリの互換性は大丈夫なのか?

個人ユーザーでも携帯電話アプリの作成を可能にしたiモード用Javaだが,その互換性には疑問の声があがっている。

【国内記事】 2001年2月1日更新

 「iモード用Javaの互換性は微妙」開発者の間で最近ささやかれている,iモードJavaの問題点だ。NTTドコモが公開している「iモード対応Javaのスペック」にも,

「メーカーは,ユーザーインタフェース,Look&Feel,ハードウェア特性などに関する特別な機能(カラーまたはワイドディスプレイ,特殊なサウンド機能など)をサポートするために,そのメーカー独自のAPIを個々に提供する場合があります」

 とある。果たして,Java動作環境の機種間の違いはどのくらいあるのだろうか? 実際,ある端末の開発担当者も「けっこう機種依存の部分がある。エミュレータで動いても,ある機種では動かない,ということがあり得る」と漏らす。

スクラッチパッドサイズの上限

 端末ごとの違いは拡張APIだけではない。ドコモの仕様書には,「ダウンロードされるiアプリは10Kバイトまで,スクラッチパッドは5Kバイトに制限される」という記述がある。ところが,注意書きにもあるように,それを超える容量を扱える端末も存在する。例えば,F503iでは最高10Kバイトのスクラッチパッドが利用できる(ZDNet調べ)。

 iアプリ作成の際には,特定の端末に合わせてスクラッチパッドを豪勢に利用するか,最低限の仕様“5Kバイト”に合わせるかを考える必要が出てくるだろう。

 このスクラッチパッドの容量は,F503iのiアプリ保存用メモリの200Kバイトとは独立しているが,関連はしている可能性がある。「ソフトの最大保存件数は,4〜50件と変動します」という注意書きが書かれた別紙が,購入したF503iには入っていた。

余裕のあるメモリサイズが特徴

 F503iをターゲットとしたiアプリの開発を考えた場合,余裕のあるメモリサイズは魅力的だ。iアプリやスクラッチパッドのサイズだけでなく,ヒープ領域も多めにとってある。あるiアプリコンテンツ開発者は「F503iではヒープ領域をキャッシュとして活用することでレスポンスが向上する」と語る。

 富士通の開発担当者も「(F503iは)ヒープ領域も大きいのでiアプリの動作が安定している」という。

液晶のライトはiアプリ側で制御必須

 F503iでは,電力消費の大きい液晶のライトに関して細かな選択肢を用意している。通常の照明の設定に加え,iアプリの動作時に「常にソフトに従う」「照明の設定に従う」という選択をユーザーができるようになっている。

 ドコモの仕様書には,「規定されているハードウェア・リソースタイプは画面のバックライト(オンまたはオフに切り替え可能)だけです」という記述があるものの,iアプリの製作者は,ライト制御に気をつける必要があるだろう。富士通製のiアプリは,動作中に[#]ボタンを押すことでライトが制御できるようになっており,異なる操作法を割り当ててしまうと,ユーザーが混乱する可能性がある。

 また,iアプリ動作中に電話着信があった場合どうするかも考えておく必要がある。ドコモの仕様書にあるように,電話がかかってきた場合は着信が優先され,通話が終わるとiアプリに戻るが,戻り方はアプリ依存となる。

メーカー拡張APIの行方は?

 メーカー独自のAPIは,F503iの場合どんなものなのだろうか。現在端末制御用のAPIとして公開されているのはライトの制御くらいしかない。バイブレーター制御用のAPIなど拡張部分の早期公開が期待されるところだが,富士通では検討中だという。

 端末メーカーとしては,ユーザーインタフェース部分が他機種と最も差別化できるところであり,それを生かすために独自のAPIを増やすやり方も理解できる。

 しかし,開発者にしてみればあまりに機種間の互換性が薄れると製作が厳しくなる。ドコモ製,またはドコモ公認のエミュレータは一般公開されていない。ドコモは「ドコモが開発環境を提供する予定はない」とも語っている。その都度実機で動作確認するのは,かなり厳しい作業だ。

 ある草の根のiアプリプログラマーは,「ハードウェアがシンプルな分だけやっていることも単純で面白い。PCの黎明期はこんな感じだったのかなと思わされる」と,iアプリについて語ってくれた。iモード全体のアクセス数の半分を一般サイトが稼ぐようになったのも,草の根のコンテンツ開発が盛んだったからだ。iアプリが成功するかどうかも,公式でないiアプリがどれくらい出てくるかにかかっている。

 しかし,一般のiアプリプログラマーには,とても実機を揃える余裕はない。「“Write once, Run Anywhere”の精神を大切にして,どんな端末でも同じように動くように,独自APIは最小限に抑えてもらえるとありがたい」と,先のプログラマーも語っている。

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[斎藤健二,ITmedia]

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