IrDA【あいあーるでぃーえー】

【国内記事】 2001年3月5日更新

 IrDA(The Infrared Data Association)は,1993年に設立された赤外線通信の標準化団体であり,標準化された規格の名称そのものでもある。これまで標準化されたものには,最大115.2KbpsのVer.1.0と最大4MbpsのVer.1.1があり,さらにそれぞれにLowPowerモードを採用した1.2と1.3が存在する。

 赤外線通信の利点は,低コストで低消費電力,またデバイスの小型化が可能な点などであり,テレビのリモコンをはじめとしてさまざまな機器に採用されている。ただし光が直進する特性を持つことから,赤外線ポートを対向させる必要があり,なおかつその間を遮るものがあってはならないなど,電波を使う通信方式に比べると使い勝手がやや劣る。

 IrDAは,物理層とソフトウェア層の規格で構成されている。物理層では先に挙げたバージョンごとに,通信レート,距離,放射強度,放射照度などが規格化されており,ソフトウェア層では,プロトコルスタックの4層としてIrLAP,IrLMP,Tiny-TP,IrCOMMなどがある。

 IrDAで使われる用語の意味は次のとおり。

IrLAP:リンクアクセスプロトコル
IrLMP:リンクマネージャプロトコル
Tiny-TP:トランスポートプロトコル
IrTran-P:デジタルカメラ間の静止画像転送
IrObex:オブジェクトエクスチェンジサービス
IrLan:LANサポート(イーサネット)
IrComm:通信(シリアル,パラレル)ポートエミュレーション
IrLPT:IrCommサブセット(プリンタ)
IrMC:携帯電話や情報端末間の情報(電話帳・カレンダー等)転送
IrWW:腕時計用

物理レイヤー バージョン 通信レート
(Kbps)
距離
(cm)
制定年月 放射強度
(mW/sr)
放射照度
(mW/
cm^2)
Latency
(ms)
ver. 1.0 2.4〜115.2 0〜100 1994年4月 40〜500 0.004〜500 10
ver. 1.1
(ver1.0に高速通信追加)
576〜4000 0〜100 1995年10月 100〜500 0.01〜500 10
ver1.2
(ver1.1にLowPowerモード追加)
2.4〜115.2 0〜20(対LowP),0〜30(対standard) 1997年10月 3.6〜28.8 0.009〜500 0.5
ver1.3
(ver1.2に高速LowPowerモード追加)
576〜4000 同上 1998年10月 9〜72 0.0225〜500 0.5

IrDA DATAハードウェアプロトコルスタック

IrTran-P IrObex IrLan IrCom IrMC
LM-IAS Tiny Transport Protocol - Tiny TP
Ir Link Mgmt - MUX - IrLMP
Ir Link Access Protocol - IrLAP
Async Serial-IR
9600-115.2kb/s
Sync Serial-IR
1.152Mb/s
Sync 4PPM
4Mb/s

http://www.irda.org/standards/standards.aspより

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