特集:FOMA? AirH"? cdmaOne?
パケット対応モバイルインターネット接続を徹底チェック(4/7)

【国内記事】 2002年1月9日更新

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比較3−高速移動中の利用

 モバイルインターネット接続で無視できないのが,移動しながらの利用だ。もちろん静止した状態で利用することの方が多いとは思うが,Eメールの送受信などは電車やタクシーなどで移動中に行うこともあるからだ。

 ここでは自動車での移動中に実際に利用し,データの送受信状況をチェックしてみた。タブブラウザであるDonutRの自動更新機能を利用して1分間に1度表示中のサイトを自動更新し,パフォーマンスモニタでデータの送受信状況を監視してファイル化した。

 走行経路は首都高速湾岸線の辰巳SAから9号深川線を箱崎ICに向かい,中央環状線外回りへ合流して台場線から辰巳SAに至る循環ルート。深川線では橋脚上の高い位置をおおよそ70〜80km/h程度で巡航,中央環状線ではほぼ半地下の部分を50〜60km/hで巡航した(制限速度を少々超えているが,左車線で流れに乗るとこの速度になったことをお断りしておく)。


受信データ量。それぞれきれいな階段状になっているほど,レスポンスよく高速に表示されると考えられる


送信データ量

 グラフを見てまず気が付くのはFOMA,cdmaOneの安定した送受信だろう。両サービスともソフトハンドオーバーで移動中の通信にも非常に強いとされているが,実際に短時間でスムーズにデータの送受信が行われている。更新にかかっている時間もFOMAとcdmaOneはほぼ同程度であり,最大通信速度の違いはほとんど影響していない。

 PHSベースであるAirH"はやはり高速移動中は分が悪い。スムーズにデータが送受信されていないのはグラフから読取れる。ただし通信速度こそ低下するが継続的にデータが送受信されているのは確かであり,例えば文字ベースのメール送受信程度ならば問題なく利用できそうだ。

 なおFOMAは汐留トンネルで接続が終了するという症状がかならず発生した。念のため3度ほど通過してみたが,同じだった。基地局が少ない影響なのか,ネットワーク上の問題なのかは分からないが,試験サービス中に見られた不安定さがまだ残っている感がある。

 余談になるが,筆者が先日東京−大阪間の新幹線内において確認したところ,PacketOneは一部の山間部やトンネル内を除けば200km/hを超える速度の場合でもほとんどの区間で問題なくインターネットに接続できた。もちろん絶え間なくデータが送受信できるということではないが,メールの送受信程度であればストレスのない利用可能だった。そもそもデッキにおいての音声通話もほとんど音声が途切れることなく行えており,cdmaOneのスムーズなハンドオーバーは極めて有効に機能している。

 AirH"の場合,新幹線内ではかろうじてインターネット接続が可能な時もあったが,実際にはほとんどデータが送受信できなかった。例えば180km/hならば1分間に3kmも移動するのだから,PHSベースのAirH"では1分間で複数回ハンドオーバーを強要されることになる。当然といえば当然の結果だろう。

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[坪山博貴,ITmedia]

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