特集:FOMA? AirH"? cdmaOne?
パケット対応モバイルインターネット接続を徹底チェック(6/7)

【国内記事】 2002年1月9日更新

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比較5−利用可能エリア

 利用可能エリアは平面的にみれば圧倒的にPacketOneが広い。FOMAと比較するとサービス開始が古いことが1つ。またcdmaOneはIDO,セルラー各社(現au)が提供していたアナログ携帯電話「TACS」のサービス終了に伴う置き換えサービスという役目も担っていたため,地方部まで一気に利用可能エリアにした点も影響している。FOMAがcdmaOne並みに利用可能エリアが拡大するにはまだまだ時間がかかるだろう。

 都市部ではAirH"もPHSベースならではの強みがある。地下鉄駅構内でも利用可能な場所は多く,PDAと組み合わせた場合などは大きなメリットになるだろう。

 FOMAに関して言えば,現時点でほかのサービスと比較するには無理がある。関東圏では大分利用可能エリアは広がったが,まだまだ基地局の密度が低く,都心部でも結構「穴」が存在する。

 なお利用可能エリアについて,広域における実態調査をするのは一個人である筆者の手に負えない。ただしPacketOneに関してはサービス開始当初から,またAirH"も既に数カ月継続して利用してるため,経験則も踏まえての比較をさせていただこう。

 結論から言えば利用可能エリアが充実しているのはcdmaOneだ。地下鉄駅構内などではAirH"に一歩譲る部分もあるが,全国展開をとうに終え,既に基地局の密度向上という段階に入っており,地下街でも利用可能な場所が多い。

 AirH"は都市部においては十分な利用可能エリアを確保しているが,意外な弱点もある。それは微弱な電波を利用するPHSベースの宿命として,建物内などでは数メートルの移動で電波状況が大きく変化することだ。

 電波が微弱なのに加え,1.9GHzという高い周波数帯を利用しているため直進性が強く,電波があまり回り込まない。例えば喫茶店の入り口で電波状況が良好なのを確認し,奥の席に座ると電波が届いていないということも多々ある。実際筆者が頻繁に利用する喫茶店だけでも2カ所でこの現象は確認している。

 一体型カード端末は,形状の問題からどうしても音声端末より送受信感度が悪く,音声通話が差し支えない場所でもAirH"でのインターネット接続が利用できない場合もある。この傾向はAirH"に限らないが,PacketOneと比較すると,微弱な電波を利用するAirH"では,この現象が確実に目立つ。“DDIポケットの音声通話が問題ないからAirH"も利用可能”とは必ずしも言えないから注意が必要だ。


問題の喫茶店における電波状況。FOMAは圏外,DDIポケットの音声端末は弱電界,cdmaOne(PacketOne)のみが良好な電波状況。なおこの位置ではFOMAはもちろん,カード一体型端末のAirH"はまったく利用できなかった

 利用可能エリアで強調しておきたいのは,自分が一番利用する場所で使えるかどうかが最も重要ということだ。業務で利用するならばともかく,個人で利用する場所はある程度限定されるだろう。電波を利用する関係上,FOMAしか利用できない場所もあれば,AirH"しか利用できない場所もある。キャリアが提供するエリアマップでは単純に計れない部分があるのだ。

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[坪山博貴,ITmedia]

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