「日本市場に期待」――Tablet PCは日米同時発売マイクロソフトが次世代PCとして力を入れる「Tablet PC」。その日本語版モデルの発売日が、英語版と同じ11月7日に決まった。日本国内では、発売後半年で25万台の出荷を目指しているという
マイクロソフトは8月28日、Windows XP Tablet PC Edition日本語版を搭載したTablet PCの正式発表を11月7日に行うことを明らかにした(別記事を参照)。PCメーカー各社のTablet PC搭載機は、同日から順次発売される予定だ。 Tablet PCの英語版モデルが11月7日に発売されることは、6月に行われた「TechXNY」ですでにアナウンスされていた。日本語版モデルの発売も同日ということで、この新世代PCは日米同時での船出となる。 Tablet PCは、ペンを使ってPCを操作したり、文字や絵を入力したりすることができるペンオペレーションが特徴。画面が180度回転するノートPCタイプの「コンバーチブル型」と、キーボードを搭載しない「ピュアタブレット型」の2種類が用意される。OSとして搭載される「Windows XP Tablet PC Edition」は、Windows XP Professionalのフル機能に、手書き認識機能や音声認識機能、手書き用ユーティリティソフトなどを追加したものだ。
ペンオペレーションがTablet PCの特徴 同社ニューメディア&デジタルデバイス本部長の宗像淳氏は「Tablet PCという新しいフォームファクターは、PCがデスクトップからノートへ変化した時のような、PCの新たな進化形になると革新している」と語る。 日本国内で当初、このTabletPCを発売するのは8社。6月12日の説明会で明らかにされていたソーテック、東芝、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通の5社に、今回の発表でペースブレードジャパン、ビューソニックジャパン、日本エイサーの3社が新たに加わった。 発表会場ではこのうち、富士通製Tablet PCの試作機が紹介された。TechXNYでお披露目されたものだが、日本では初公開だ。
富士通製のTablet PC試作機 このマシンは10.4インチ液晶ディスプレイを搭載したピュアタブレット型で、専用回転スタンドが標準で付属。キーボードを接続してデスクトップPCのような使い方もできる。
キーボードを接続してデスクトップPCのような使い方も マイクロソフトでは、10月16−19日に開催されるWPC EXPO 2002で、各社のTablet PCの実機を展示する予定。「WPC EXPOが一般ユーザーへのお披露目となる。ブースではかなり広いスペースを割いて、Tablet PCのデモンストレーションを展開する」(同社マーケティング部長の御代茂樹氏)。 また、国内のソフトベンダー16社(アドビシステムズ/ヴァル研究所/エー・アイ・ソフト/オーエスケイ/学習研究社/クレオ/コーレル/ジャストシステム/セルシス/ソースネクスト/ティーファイブ/日本サイバーサイン/富士ソフトABC/マイクロソフト/ユーリードシステムズ/ワコム)が、Windows XP Tablet PC Editionに対応したアプリケーションを発売することも、今回明らかにされた。 発表会場では、ヴァル研究所の「駅すぱあと」、エー・アイ・ソフトの「デジカメ de !! 同時プリント」、学習研究社の「書いて覚える! 国語・漢字ドリル辞典(仮題)」、クレオの「筆まめ for タブレットPC(仮題)」、セルシスの「ComicStudioDebut」、日本サイバーサインの「C-SIGN LOCK for Tablet PC」という6つのTablet PC対応アプリケーションを紹介した。 なかでも、セルシスのマンガ制作ソフト「ComicStudioDebut」は、紙にマンガやイラストを描く感覚でペンで直接画面に描くことができるという。Tablet PCの特徴を生かしたアプリケーションの代表格だ。
マンガ制作ソフト「ComicStudioDebut」 また、Tablet PCならではといえるのが、日本サイバーサインのサイン認証システム「C-SIGN LOCK for Tablet PC」。ペンオペレーションを基本としたTablet PCが苦手とするものの1つに、これまでキーボード中心に考えられていたパスワードの入力があるが、C-SIGN LOCK for Tablet PCは、手書きのサインで簡単に個人認証が行えるのだ。それもサインの形状だけでなく、筆圧や筆順、ペンの速度、空中でのペンの動きなど、さまざまな要素を取り入れることができるため、既存のパスワード入力よりも安全性の高いという。
筆圧や筆順、ペンの速度、空中でのペンの動きまでもチェックするサイン認証システム
同社が新しいフォームファクターを市場に投入する場合、これまではまず英語版からスタートし、数カ月後に日本語版というのがセオリーだった。特にTablet PCの大きな特徴である文字の手書き認識システムは、英語と日本語とではかなり違うことが予想される。ローカライズに時間がかかりそうなものだけに、日米での同時発売は興味深い点だ。 同社マーケティング部長の御代茂樹氏は「ウルトラポータブルと呼ばれるシングルスピンドルのノートPCは、昨年実績で全世界400万台が出荷されている。そのうちの約1/4にあたる100万台が日本市場での出荷。つまり日本ではモバイルPCが好まれ、普及しているのだ。また、ノートPCを家庭でも仕事でも使っているユーザーが多い。“モバイラー”や“ロードウオーリア”と呼ばれるこれらのユーザーに、Tablet PCのような新しいタイプのPCを提案していきたい」と日本市場への期待感を語る。 御代氏によると、米MicrosoftでもTablet PC普及にあたって一番期待しているのが日本市場だという。「モバイルPCが好まれる日本のマーケットを考えると、発売当初は米国と同じぐらいの数が期待できそう。日本でのTablet PC出荷目標は、発売から半年ほどで25万台、1年後にはプラス100万台を目指している」(御代氏)。
同社マーケティング部長の御代茂樹氏 関連記事 Tablet PC、11月7日発売 Tablet PCを使うための心得 Tablet PCの「ディテール」と「可能性」に迫る--TechXNY 富士通、Tablet PC試作機を公開 Microsoftの描く「Tablet PC」導入シナリオは?――TechXNY現地レポート Office 11とTablet PCにスポット――TechXNY基調講演 MSの「Tablet PC」、東芝、NECなど5社から今秋発売 関連リンク マイクロソフト [西坂真人, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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