ムービーはEV-DOで実を結ぶ──KDDI高橋氏に動画戦略を聞く(2/2)
ZDNet:現在、ezmovieの長さは15秒です。長くしたいという気持ちはあるのですか。 長ければ長いほどいいとは思います。ただし、現在ストリーミングっぽく見せているものは、実は一回ダウンロードしたものを再生しています。だから、データ量とデータ通信速度の関係を考えた場合、あんまり長くしてしまうと使いづらいモノになるのも事実だと思う。 ZDNet:ezmovieのクオリティはどんどん上げていきたいという意向? これもバランスだと思う。(EV-DOの導入によって)2.4Mbpsのスピードで、ユーザーがフラストレーションなくダウンロードができれば、当然データ転送量は上がるじゃないですか。ここで本当に定額ライクな料金体系ならば、(ファイルサイズを増やすことで)クオリティも上がってくるでしょうね。クオリティを上げるためにユーザーを20秒も30秒も待たせては本末転倒なので、バランスです。 ZDNet:今後の動画コンテンツの方向は、テレビのように単体でしかも長めの映像を楽しむものになるのでしょうか いや。動画のコンテンツは、これまでの表現能力の進化であると思っている。だからテレビ的なコンテンツという発想はあまりない。 よくPCに例えて話をしますが、昔はADSLとかブロードバンドが始まると動画が来るんだ、だからコンテンツが栄えるんだというロジックでみんな話していた。実はそうではなくて、ブロードバンドと共に常時接続がきて、そこで例えばEコマースが栄えてきて、Eコマースを見ている中で、表現手段としてこれまでGIFの画像だったものが動画になり、高速なので動画が生きてくる。そういうことだと思う。 速くなったから動画なのではない。定額になって、より表現力を上げていきたいという欲求が出てきて、その結果が動画。携帯も同じだと思う。
現在の動画にまつわる状況を確認すると、KDDIがいかに“動画に積極的”かが分かる。高橋氏が「(携帯)3社の中で、動画の戦略が一番明確で、流れがはっきり示せているのはうちだけだと思う」と語る通り、まず動画配信、続いて動画メール、EV-DOの導入と共に動画コンテンツを大々的に携帯に導入する──という流れが見える。
NTTドコモのFOMAをはじめ、動画を手がけようとするキャリアは多いが、なかなかうまくいっていない。KDDIは、課題は(1)通信料金 (2)端末コスト だと認識している。その中で、通信料金の問題はEV-DOの導入で解決していく。端末コストに関しては、まずは動画フォーマットを軽いものに変更することで対処する。「ムービーメールライトをなぜ開発したか。(端末に動画再生機能を)軽く入れるためだ」(高橋氏)。KDDIは近々、ezmovie用の動画コンテンツプロバイダに向けて、ムービーメールライト用のオーサリングツールも提供する予定だ。 動画そのもののニーズについては、「オンデマンド型とコミュニケーション型を組み合わせた動画は、僕は魅力的だと思います。動画、ナビゲーション、これについては必ず次世代のサービスでほしいものの上位に入ります」(高橋氏)と答えるに留めたが、料金と端末コストさえ解決されれば動画への需要があるのはこれまでの半年間で見えてきた。 「他社は、既存の端末にカメラまでは載せるけど、動画まで積む発想は絶対ない。動画の最大の課題である料金について、来年に向けて手を打っているところはKDDIならでは」と語る高橋氏。KDDIのコンテンツ戦略は、動画を1つの柱として動き出している。
関連記事 携帯“ムービー”に注力するKDDI〜mobidec KDDIコンテンツビジネス部の高橋部長が講演を行い、ムービーへの期待と意気込みを語った KDDI、カメラ付きムービー端末発表 KDDIは、カメラ内蔵の4機種を9月20日から投入する。最上位機種となる「A5301T」は、撮影した動画をメールで送信することもできる。また月額1200円で0.1円/パケットとなるオプションプランも提供する KDDIの「1x EV-DO」の概要が明らかに〜まずは23区内 KDDIは、パケット型のデータ通信に特化した「CDMA2000 1x EV-DO」の導入を予定している。まず2GHz帯を使って東京23区に導入、続いて音声端末向けに800MHz帯への導入も進める [斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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