Mobile:NEWS 2002年11月19日 04:56 AM 更新

「実現してみたい」のは携帯電話版ADSL〜EV-DOに向けたKDDIの戦略

どんなに3G特有のコンテンツを用意しても、通信料金が高ければ「なんちゃって3G」──KDDIは「携帯電話版ADSL」ともいえる料金設定をEV-DOで実現したいと語った

 10月の純増数が関東、東海、関西、沖縄で1位を獲得、調査会社J.D.Powersの調査で「2002年移動体顧客満足度」も関東地区で1位、3Gも好調に推移──11月18日には新しいムービーケータイも発表し(11月18日の記事参照)、ドコモの追撃態勢も万全なKDDI。同社のソリューション事業本部コンテンツビジネス部の高橋誠部長は、2003年春に予定されている「1x EV-DO」(7月19日の記事参照)のコンテンツ戦略を語った。

 「2Gとか3Gとかは関係ない、とドコモの夏野氏はおっしゃっているが、うちには(移行が順調に進んでいるので)3Gしかない」──と自信を見せる高橋氏は、新サービスと端末の新ラインアップで3Gを導入期から普及期へ持っていくのが2003年の目標だと話す。

 EV-DOにスムーズに移行するために必要なのは、3Gサービスの目玉になるムービーとGPSについて「利用シーンが想像できるサービス」を提供することと、通信料金を安くすることだと高橋氏。

 11月18日に発表された、MP3でありながら「ダウンロードしても外に出せない、SDカードに入れても外に出せない」というシンプルな著作権保護策を備えたezmovie形式の「着うた」提供、他社の携帯電話にも送信できるフォトメール便への機能拡張、ムービーメールサイズコンテンツの提供、ムービーメール対応機種の拡充をムービーの普及策として実施する(発表記事12を参照)。


特許出願中の絶対時計を用いた著作権保護「DRM」もau端末ならでは(7月17日の記事参照)。ezmovieの肖像権の問題をクリアできる。ビジネス利用にも役立つと高橋氏。「例えば保険の外交員用のアプリ。外交員が辞めてしまったらアプリをエクスパイアすれば使えなくなる」

 GPSは、自立測位型の実現に向け、現状では遅いと言われる測位の速さの改善や精度のチューニング、コンテンツの充実を図る考えだ(8月6日の記事参照)。「カーナビ人気が高い日本では、マンナビゲーションの需要が見込める」(高橋氏)。

 しかし、いくら次世代を感じさせるコンテンツを提供できても通信料金が安くならなければそれは「なんちゃって3G」でしかなく「これをもう一歩進めないとコンテンツの普及につながらない」と強調。無線区間の定額制は難しいとしながらも、「実現してみたい」というスタンスで『携帯電話版ADSL』を目指すと語った。

 また通信料金低減のためには、新しいビジネスを作る必要があるといい、広告出稿主がダウンロード通信料を負担する「MOVIE-AD」や「NAVI-AD」といった(11月13日の記事参照)、auならではの広告商品にも注力するという方針だ。


auはPCとの連携を視野に入れ、PCコンテンツを携帯電話で決済する仕組みを導入している(9月25日の記事参照)。現在10社がサービスを利用、検討や開発を検討中の企業が25社



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[後藤祥子, ITmedia]

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