Mobile:NEWS 2002年12月19日 02:41 AM 更新

SDカード型AirH"端末「AH-S101S」を試す(2/2)


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 今回はPalm m505と「AH-S101S」の組み合わせで試してみたが、ここしばらくPalmを利用していなかった筆者でも導入は極めて簡単であった。PalmDesktopを利用して付属のCD-ROMからドライバをインストールし、本製品をSDカードスロットに差し込めばモデムとして認識される。あとはモデムとして「AH-S101S」を選択し、ダイヤルアップの設定を行えばインターネット接続できる。

 なお本製品には試用版のWebブラウザ「Xiino」が付属し、Palmデバイス用にはユーティリティも用意されている。電波状態の確認に加え、デフォルトの通信モード(PIAFS 32K/64K、32Kbpsパケット)、分計サービス、発信者番号通知、省電力モードの設定ができる。省電力モードをオンにすると通信状態を示すインジケータが無効となる。


ドライバを組み込むとモデムの選択肢に「AH-S101S」が現れる


付属するユーティリティ。電波状態がアンテナバーで確認できるのやはり便利

 なお、このユーティリティを起動した状態でPalmデバイスの電源を切ってしまうと「AH-S101S」に通電しっぱなしになってしまうようなので注意が必要。少なくともm505との組み合わせでは、Palmデバイスの電源をオフにしてもインジケータが点灯する。端末に電話をかけてみても圏外アナウンスが流れなかったことからも、通電しているのは間違いなさそうだ。

通信速度、送受信感度はどうだ

 m505でのインターネットアクセスは、32Kbpsパケットの接続でも通信速度に特に不満は感じない。本製品というよりはPalmに付属している「MultiMail」の出来がいいせいかもしれないが、文字のみのメールの送受信は非常に軽快であった。

 ブラウジングには本製品に付属の「Xiino」を用いたが、下部に表示される受信バイト数を見ている限り、電波状態さえ良ければ2Kバイト/秒は余裕でクリアしていた。そもそもPIAFS 64Kをサポートしているから、本製品の処理力は32Kbpsパケットなら十分なのだろう。

 また、小型化で気になるのが送受信感度だが、特に悪いという印象は受けなかった。比較のため、よく行くカフェへ移動して音声端末「KX-HV210」(8月23日の記事参照)でアンテナバーが0−1本程度のロケーションで利用してみたが、通信速度の低下こそ感じるものの、特に問題なく利用できた。


電波状態の悪い同じ場所ではこんな感じだ。少なくとも「AH-H401C」と比較する分には送受信感度は全く問題ない

AirH"の活躍の場をさらに広げる製品

 現時点ではまだ、利用できる製品が制限されているのが実情だが、本体にSDカードスロットしか持たないPalmデバイスのユーザー(対応が進めばiPAQ Pocket PCユーザーも)にはとても魅力的な製品だ。

 パーム コンピューティングのSD/IO対応スロットを備えたPalmデバイスは、依然Pocket PCより一回りコンパクトで薄い製品がほとんどで、この魅力を失わずにインターネット接続が可能になるのはうれしい。背面に取り付ける通信アダプタやケーブルを利用したインターネット接続は、薄くてスマートなPalmデバイスには似合わない。

 PCカード型アダプタが登場すれば、PCでも利用できるが、AirH"では32Kbpsパケット通信しか利用できないという制限もあり、PCオンリーで利用する人へのメリットはほとんどない。

 GENIO eシリーズユーザーでも、CFカードスロットに大容量CFメモリカードやマイクロドライブを常時装着している人にはおすすめだ。GENIO eシリーズの場合、マルチメディアプレイヤーとして利用している人も多く、本製品ならいちいち通信カードとメモリカードの交換をしなくてすむ。

 残念なのは、PIAFS 64Kに対応しているのに、フレックスチェンジ対応ではない点。フレックスチェンジにも対応していれば、PCやPocket PCで利用する際にさらに魅力が増しただろう。

 なお、先ごろ発売されたVGAザウルスこと「SL-C700」(11月28日の記事参照)でも、ドライバを準備しているという噂がある。「SL-C700」のSDカードスロットはSD/IO仕様ではないのだが、通信デバイスに限っては対応可能だというのだ。「SL-C700」は、キーボードスタイルで利用するとSDカードスロットが背面に回るため、両親指打ちスタイルの場合に本製品は都合がいい。CFタイプの通信カードだと邪魔になってしまうのだ。もちろん噂レベルの話なので、先走って本製品を購入してもらっては困るのだが、実現に期待したい。



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関連リンク
▼ DDIポケット
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[坪山博貴, ITmedia]

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