「ボリュームゾーンはVGA。メガも進めている」〜三洋、携帯向け新CCD三洋は携帯向けCCDモジュール2製品を発表した。1/7型でVGA対応。消費電力を抑え、薄型と省スペース型の2タイプを用意した
三洋電機は4月15日、携帯電話向けの1/7型VGA対応CCDカメラモジュールを発表した。同社製モジュールの特徴である2.9V単一電源のまま、省スペース型の「IGT99268F-ST」と薄型の「IGT99268G-ST」を用意した。
今年8月から9月にかけて量産に入り、月産50万個程度を想定している。サンプル価格はいずれも7500円。
今回の2製品の発表により、三洋電機の携帯向けカメラモジュールラインアップは、11万画素のCIFサイズが3種類、31万画素のVGAサイズが3種類に拡大した。
同社セミコンダクターカンパニーCCDビジネスユニットシステム開発部の渡辺透部長は「今のところは、ボリュームゾーンはVGA。ただし海外も含めて11万画素もまだ引き合いがある」と話す。 今回のモジュールは、2月に発表したVGA対応モジュール「IGT99268M-ST」(2月18日の記事参照)のバリエーションとなる。「CCDは前回のものと同じだが、従来2チップ構成だったDSPやアナログ処理部を1チップ化し、これによって小型化、低消費電力化した」(渡辺氏)。 前回のモジュールは10ビットのAD変換回路を載せていたが、今回は8ビット。またズーマーやスケーラーも省略している。「一部機能は削減しているが、画質には大きな影響はない」(同氏)。 これは「多機能な画像処理を可能にするチップが携帯に入ってきている。そうすると、カメラに多機能な画像処理チップが入っていてもダブってしまう」ためだ。そしてDSP機能の削減により、秒15コマで100ミリワットを切る消費電力を実現できたという。
渡辺氏は、今後の展開としてやはり多画素化を挙げる。「メガのほうも進めている。(ただし、他社が)かなり強力なものを先行して出しているので、三洋として何らかの特徴がないと競争力がない」。 100万画素オーバーのメガピクセルCCDモジュールは、ソニーなどが開発を終えている。ドコモの505iシリーズには、130万画素クラスのCCDが2機種、100万画素CCDも1機種が採用している(4月8日の記事参照)。また、富士写真フイルムも63万画素スーパーCCDハニカムを開発し、123万画素相当の出力を可能としている。 ただし、三洋はあくまで多画素化に慎重だ。メガピクセル携帯は一定のニーズがあるとしながらも、まだ主流にはならないと見る。「正直なところ、(高画素化の流れを)見極めなくてはならない。200万、300万程度まではいくだろうと思っているが、それがビジネスとしてどの程度の商品になるかは、状況が異なる」(渡辺氏)。 メガピクセル化に伴って、現在5ミリ程度であるカメラモジュールの厚みが増すことも懸念されるが、「厚みはレンズが決める。極論を言えば、メガでもVGAの画質でいいということなら薄くできる」と渡辺氏。 ただし、メガピクセル化に伴ってカメラを中心に企画された端末も増える可能性がある。メガピクセルや光学ズームレンズを搭載することで厚みが増してしまうなら、“薄型・折りたたみ”という形状自体から変えてしまおうという流れだ。「メガ化も含めて、カメラを付ける場所のバリエーションが増えている。カメラモジュールも今後、単に薄型なだけではなくいろいろな形状が出てくる」(渡辺氏)。 なお、消費電力については従来ほど最重要課題ではなくなってきているという。画質やフレームレートに対する要求のほうが強いようだ。「最近の流れとして、(秒間の)コマ数がどんどん上がっている。1年前は秒5コマあればよかった。ところが今はVGAかつ15コマ必要。消費電力は15コマでうたわざるを得ない。秒5コマであれば、45ミリワットを実現している」(同氏)。
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