Mobile:NEWS 2003年7月31日 09:15 PM 更新

カラー背面液晶搭載ながら最薄最軽量〜「N2102V」(2/2)


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細かな使い勝手が向上したカメラ機能

 静止画、動画の撮影が可能なカメラ機能はCMOSセンサを用いたカメラユニットで、アウトカメラが32万画素、インカメラが11万画素。撮影サイズは最大でVGAと基本スペックはN2051から変わっていない。

 撮影した画像を見る限り光学系まで含めて同じユニットのようだが、細かな使い勝手は向上している。例えばN2051ではなぜかVGAサイズが別の撮影機能となっていたが、これも撮影サイズの一部として統合され、分かりやすくなった。

 大きな改良点はアウトカメラ側に撮影補助用ライトがついたこと。N2051で暗所撮影用に搭載されたカメラユニットの感度を上げる機能「ナイトモード」も引き続き採用されている。

 アウトカメラ利用時には折りたたむと背面ディスプレイがファインダーとなり、画素数の多いアウトカメラでも自分撮りが可能になった。ライトも利用できるので、より多くのシチュエーションで31万画素CMOSでの撮影が可能になった。

 ただ撮影後のプレビュー表示で“保存”を選択したあと、さらに再度の保存確認が出るのはかなりまどろっこしい。プレビュー表示の段階で保存か取り消しかを選択しているのだから、再確認は必要はないと思う。


カメラモード時にディスプレイで確認できるのは撮影サイズ、明るさ設定のみで情報量としてはちょっとさびしい。撮影補助用ライトのオン/オフは左ソフトキーでワンタッチで行える。N504iS/N505iでおなじみの、カメラユニット前面にマグネットで固定できるマクロ撮影用レンズも利用できる

 “撮った後”のN2051からの改良点は多い。任意のフォルダを作成でき、サムネイル表示(ピクチャー一覧)も可能になった。撮影時の保存フォルダは固定され、任意のフォルダへの振り分けは手動になるが、サムネイル表示と合わせて画像管理がしやすくなった。またサムネイル表示はメール作成から添付ファイルの選択時にも利用できる。

 サムネイル表示からでも画像加工、メール送信といった通常の一覧表示と変わらない機能が利用できる。画像を表示させた状態では画像加工などを呼び出せないのはN2051と変わっていないが、サムネイル表示から行えるなら十分だ。

 ただこのサムネイル表示、利用するには毎回通常一覧からMENUを呼び出し、3ページ目にある”ピクチャ一覧”を選択する必要がある。キー操作が最小でも[MENU]-[→]-[→]-[6]の4ステップあるのは少々面倒だ。より簡単に切り替えられるようにするか、もしくは通常の一覧とサムネイル一覧を事前に設定できるような機能もほしいところだ。 ※メインメニューの「ピクチャー表示設定」から初期設定を変更できる


サムネイル表示へは毎回切り替えが必要。補助メニューの3ページ目にあり、切り替えは面倒だ。サムネイルは4コマずつで、フォーカスの当たった画像のファイル名がポップアップ表示される。サムネイル表示のまま、さまざまな画像処理やメール送信が行える

ライバルはF2102V

 購入時の検討対象となるのは、やはり同世代機のF2102Vだろう。前モデルの「N2051」と「F2051」ではカメラユニットの性能面でN2051が優位だったが、今回はカメラ機能も価格もほぼ同等で、よきライバルとなるだろう。

 機能面ではF2102Vに軍配があがりそうだ。例えばメールの自動振り分け条件を見てもN2102Vが旧態依然のアドレスのみなのに対し、F2102Vはタイトルでも行えるほか、スパム対策にもなる“電話帳登録なし”といった条件も利用できる。

 FOMAは「長文でも受信できる」「パケット料金が安い」といった点からメーリングリストの送受信も実用的になっている。せめてタイトルでのメールの振り分け機能はほしいところだ。またPIM機能などもSymbian OSを採用したF2102Vのほうが充実しており、使い勝手は褒められたものでないもののminiSDスロットを備える点も優位点に挙げられる。

 カメラ機能もF2102Vがワンタッチで撮影サイズを変更できたり、撮影時にディスプレイで確認できる設定情報が多いのに対し、N2102Vは設定変更はメニュー依存の傾向にある。ディスプレイで確認可能な情報も少ない。F2102Vがワンタッチでカメラモードに移行できるのに対して、N2102Vは、毎回「動画か静止画か」といった選択促される。N2102Vの方が分かりやすくて親切といえる面もあるが、慣れてくると煩わしく感じる人も多いだろう。

 ただし操作の軽快さはN2102Vのほうが上だ。とくにレスポンスの悪さを感じる部分がない。多機能ながら一部でレスポンスの悪さを感じる部分があるF2102Vとは好対照だ。また日本語入力もT9と予測変換の2本立てであり、より少ないキー操作で文章を入力できる点ではN2102Vに軍配があがる。

 またメール作成時にメールアドレスの送受信履歴が利用できるなど、細かい部分で使い勝手のいい部分もある。


メールの自動振り分けは送信者アドレスでのみ可能と強力とはいえない。メール作成時の宛先指定ではメール送受信の履歴からも引用が可能で、同じ相手や複数の決まった相手に頻繁にメールを送るような場合には便利だ

シンプルなテレビ電話が欲しい人向け

 N2102Vは同じテレビ電話対応端末としては機能面でF2102V、P2102Vに一歩譲ることになる。もっともP2102Vのようなビデオスタイルは好き嫌いがあるし、F2102Vの強力なPIMもニーズが分かれる機能ではある。

 N2102Vは、シンプルだが軽量かつコンパクトという多くの人に訴求しやすいのが魅力だ。N2051にテレビ電話機能を付加し、確実に使い勝手を向上させながら軽量化が図られているのだから”N”らしく堅実な進化を遂げた端末といえる。ソフトウェアに関しては保守的すぎる印象もあり、この点も含めていかにも”N"的ではある。

 テレビ電話の実用性に問題はないし、端末デザインも今時のケータイ風であるのもP2102VやF2102Vにはない魅力。テレビ電話に魅力を感じてFOMAへの乗り換えや購入を検討しているが、特に多機能であることにはこだわらない人には受け入れやすいFOMA端末だ。



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関連リンク
▼ NECの「N2102V」サイト

[坪山博貴, ITmedia]

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