Mobile:NEWS 2003年8月29日 12:50 PM 更新

見えてきたKDDIの“秋以降”

いち早くパケット代の低下を図ったKDDIは、トラフィック増と共に有料コンテンツの利用も増加。EV-DOに向けて、さらなるパケット代の値下げを進めると共に、好調な着メロに音質面でテコ入れを行う。秋にはBREW2.1端末を3〜4機種投入し、アプリプラットフォームの転換を図る。

 「非常に順調。3カ月連続でドコモさんを抜くことができた」──。8月29日、mobidec 2003で講演を行ったKDDIのコンテンツ本部長である高橋誠執行役員は、開口一番、好調さをアピールした。

 4月、5月、6月と純増数で首位を獲得し(7月7日の記事参照)、「7月に大いなる値下げ攻勢にあって、ひっくりかえされた。もしも8月の段階でドコモの上にいくことができれば本物」(高橋氏)。

パケット代低下からコンテンツ利用促進へ

 「パケ割」導入によりデータ料金の低価格化を打ち出したKDDIは、秋に始まるCDMA2000 1x EV-DOの導入に向け、好調に展開している。データ料金を下げても、トラフィック増がそれをカバーし、データ収入は下がらない。現在はそんな状況だと話す。

 「以前、(固定の)長距離電話に参入したとき、通信料金が安くなると結果的にトラフィックがカバーしてくれた。携帯のデータ通信は今まさにこの状況にある」

パケット料金を下げ、収入減はトラフィック増加でカバー。有料コンテンツの情報料増を目指しコンテンツビジネス市場を広げるというスタンスをKDDIは一環して取ってきた。右はデータトラフィックの現状。パケット割やミドルパックなどの割引サービス契約ユーザーは、無料分を確実に超過するデータ利用を行っている

 実際、900万を超えたCDMA2000 1xユーザーのデータARPUは、当初に比べると落ち着いたものの2180円と高い値を保っている(4月−6月)。そして収入は下がらないまま、コンテンツの利用が促進されている。

 「(パケット料金は)iモードに対して約3分の1。対して、トラフィックが2倍から3倍の形で増えている。これによって、結果的にはコンテンツにアクセスする量が増える」と高橋氏。

 ドコモは28日の講演でiモードの有料コンテンツ市場規模が月額102億6200万円だと明かした(8月28日の記事参照)。高橋氏によるとEZwebのほうは43億6800万円。「3倍くらいユーザー数の違いがあることを考えれば、いい数字ではないか」

左はARPUの推移。「ほぼ下げ止まり傾向」だとしている。既にCDMA2000 1xのユーザーは過半数を超えたが、データARPUは高止まりしている。右はコンテンツサービスの動向。情報料ARPUは329円に達するなど、好調に推移している

「着うた」は3Gだからできたサービス

 新ジャンルのコンテンツとして大ヒットとなった「着うた」については、「1xでしか提供できないサービスと位置づけている。PDCでは絶対実現できないサービス」だと、高橋氏は他社が簡単には追随できないことを強調する。通信速度と価格、そのバランスが重要だった。

 さらに月額課金のみのiモードに対して、ダウンロード課金方式を用意した利点を強調する。日本のモバイルインターネットを成長させたのは月額課金だとした上で、コンテンツによってはダウンロード課金がメリットを持つ。

 「コンテンツプロバイダが価値にあった価格を決められる。キャリアサイドでは50円にしてほしいと思った。100円は無理だと。しかし最終的にはレコード会社が値付けをした。このためにはペイパービュー(ダウンロード課金)が必要だった。ゲームも同じことが言えるのではないか。課金の仕組みのバリエーションを用意することは重要」(高橋氏)

 8月中旬で累計2000万ダウンロードを超えるなど、絶好調の着うた(7月16日の記事参照)。次の一手は“音質”にある。詳細は明かさなかったが、秋以降、テコ入れを図る。なお、ドコモが9月から開始するリング・バック・トーンサービス「メロディコール」については(8月22日の記事参照)、「PDCからFOMAにかけたらハーフレートになる。いったいどんな音が聞こえるのか。音質が重要だ」と切り捨てた。

BREW端末、秋には倍増

 KDDIのアプリケーションプラットフォームは完全にBREWに移行する。「たぶんEV-DOの初期端末は2チップのJava環境で出さざるを得ないが、来年春から登場する端末はすべてBREWの端末になる」

 BREWへと転換を図った理由は、1チップ構成にすることで端末コストを抑えるためだけでなく、端末の機能ラインアップを整理するためだ。ドコモなどは、ハイエンド端末とエントリー端末を50x系、25x系と分けて展開している。しかし比較して規模の小さいKDDIの場合、こうしたラインアップ展開が難しいという判断による。

 「我々は、ハイエンドとエントリーを分けてアプリケーションの開発環境を提供しようとしても無理。すべての端末にアプリケーションを載せてシンプルにしていく」(高橋氏)

 現在、BREW対応機種は3台だが、「これが秋には6機種、7機種となる」。既報の通り、秋のBREW端末はこれまでの2.0から2.1にバージョンも上がり、ディスプレイはQVGA対応。カメラの操作やデータフォルダとの連携も行えるようになるなど、ネイティブに近い環境を生かした機能を用意する(7月18日の記事参照)。9月4日からは、待受アプリや有名ゲームを中心とした「30円キャンペーン」も開始し、BREWの浸透を図る。


BREW端末は「今市場に70万台くらい。DL数はトータルで150万くらい」(高橋氏)

EV-DOでも極端にリッチなコンテンツは狙わない

 BREWと前後して秋のスタートを予定している1x EV-DOサービスだが(3月28日の記事参照)、コンテンツ面での飛躍は想定していない。“ちょっとづつ”たくさん使ってもらう、というスタンスだ。

 「PCの世界が定額制になって一番使われているのは動画でしょうか。いえ、一番動いたのはEコマース。EV-DOでどんどんデータスピードは上がる。ハイリッチなものも用意する。ただ一番使って欲しいのは、インタラクティブなちょっとずつ使うコンテンツ」

 なおEV-DOの価格体系については「EV-DOはまだ社内でも料金について割れている。やはりワイヤレスで定額は難しいかもしれない」とコメントした。


CDMA2000 1x時代に、着うた、着ムービー、BREWという3大コンテンツで挑んだKDDI。EV-DO自体のキーワードは「いつもつながる(ちょっとずつ)。次世代の表現力」だとした



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[斎藤健二, ITmedia]

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