ezからiモードに迷惑メール迷惑メールを巡るイタチごっこが未だに続いている。対策が取られるたびに新しい手法を編み出す業者は、現在iモードに向けてau端末から迷惑メールを送信し始めている。
最近、auのEZweb端末からiモードに送られてくる迷惑メールが激増している。この一週間筆者のiモード端末に届いた迷惑メールは26通。そのすべてが「ezweb.ne.jp」ドメインからのものだ。
ezwebドメインからiモード端末(FOMA)に届いた迷惑メール。iモード端末はドメイン指定受信を設定してあり、PCからezwebに擬装したメールが届いた可能性は薄い。ezweb端末から送信されたと想定される KDDIは「au端末からiモードに向けた迷惑メール送信が増えていることは認識している」と話す。先日準備したメール環境整備室では、ユーザーから送られてきた情報を元に、迷惑メールを送信している回線を停止するなどの処置を行っている。 ドコモ側は、「他事業者からの(迷惑メールの)動向は把握していない」とするものの、「5月から迷惑メールについて他事業者へ情報提供を行っており、7月末までに42万件に達している」と状況を話す。
EZweb端末からiモードに迷惑メール送信──。この一見不可解な送信方法が増えてきたのには、いくつかの理由がある。 まず、「ドメイン指定受信」を行うユーザーが増えたこと。iモードのドメイン指定受信は、“他社の携帯電話から送信されたメール+指定したドメインからのメール”を受信できるよう設定するもの。これにより、PCから携帯宛に一斉送信するような迷惑メールは命運を絶たれた。 結果、業者が考えたのは、携帯から携帯に迷惑メールを送ることだ。PCと携帯を接続して、PC側で入力したメールを携帯で送信できるソフトなども市販されており、送信コストを除けば、手順は従来とさほど変わらない。 まず増えたのが、“iモードからiモードに向けた迷惑メール”だ。ところが、ドコモがiモード端末から迷惑メールを送信した業者に対し契約解除を打ち出した7月から(7月10日の記事参照)、送信元は次第にEZweb端末に移り始めた。10月20日からはiモードメールの送信回数も制限されるとあって(8月21日の記事参照)、多くの業者が送信元をEZwebに変更したと推測される。
実際のところ、携帯から携帯に送信される迷惑メールをブロックするのは困難だ。左はiモードのドメイン指定受信の設定画面。ezweb端末から送信される迷惑メールをブロックするには、ほかの携帯電話から送信されるすべてのメールをあきらめなくてはならない。右はezwebのドメイン指定受信の設定画面。キャリア別に受信を制限できるほか、受信するドメインを指定した上で拒否するメールアドレスも指定できる(5月7日の記事参照)(ドコモの場合は、ドメイン指定受信と拒否アドレス指定を組み合わせることはできない) KDDIでは、Cメールを使った“auからauに向けた迷惑メール”が問題になった時期があり、既にそうした業者の回線を停止する措置を講じていた(6月17日の記事参照)。累計で4580回線を停止しており、有効に機能してもいいはずだった。 この回線停止の抜け穴として、昨今問題になっているのが“回線契約の名義貸し”だ。業者に対して個人のユーザーが名義を貸し、その名義を使って迷惑メールを送信するという事態が起こっている。KDDIは「電話回線を使用していなくとも、契約者本人様に請求されることになる」として、名義貸しをしないよう訴えている。 また技術的に見ると、iモードから迷惑メールを送信するよりもEZwebから迷惑メールを送信するほうがコストメリットが大きい。cc:やbcc:利用できないiモードメール(toに複数指定しても件数分通信料がかかる)に対し、EZwebのメールは1通で複数の宛先に送付できる。さらにミドルパックなどのパケット割引サービスはメール送信に対しても適用される(ドコモでもFOMAのパケットパックは割引対象)。
いずれにしても、対策が行われるたびに迷惑メール送信業者は新たな手段を考えてくる。止まらぬイタチごっこの中で、携帯メールの使い勝手もどんどん悪化している。
ドメイン指定受信がその例だ。確かに、PCから一斉送信される迷惑メールは、ほぼ撲滅された。しかし、代わりに携帯ユーザーはメールを使った各種サービスの利用に面倒な操作を強いられるようになった。FOMAから画像をiモードに送るサービス「どりーむ・ドコアル」を使うには、相手に さまざまな対策は行われ、確かに効果は上がったが、「全体では微増傾向」(ドコモ)というのが現在の迷惑メールの状況。 イタチごっこの果てにあるのは、果たしてどんな世界なのだろうか。
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