Mobile:NEWS 2003年9月9日 02:12 PM 更新

NEC、携帯を電子チケットに使う「LightHolder」

iアプリと赤外線を使い、携帯電話が会員証やポイントカード、チケットなどに利用できる。同じLightHolderを使ったサービス同士なら、ユーザーは赤外線送信ボタンを押すだけで、その場に合ったサービスが自動的に起動する。

 NECは9月9日、赤外線通信を利用して携帯電話をチケットやクーポン、会員証などの代わりに利用できるようにするサービス「LightHolder」の販売を開始した。

 ユーザーは店舗のPOSレジなどでiアプリを立ち上げて赤外線送信を行えば、POSレジとの間で認証が行われ、場所にあったサービスが自動的に起動する。一つの携帯Javaアプリケーションを使い、複数のサービスに対応できるのが特徴。メインのJavaアプリの上にサービスごとに異なる定義を用意し、状況に応じて使い分けられる。


 現在のところ、赤外線通信機能とJava機能が必須であり、対応機種はドコモの504i、504iS、505iおよびFOMAの一部に限られる。対応端末の台数は約1300万台。「今後発売される3キャリアの赤外線通信機能搭載端末や、Bluetooth、非接触ICチップにも対応していく」(NEC)

 用途はレンタル店の会員証や店舗のポイントカード、映画館や劇場のチケットなどを想定する。携帯内のJavaアプリとPOSレジ向けソフト、チケットの販売や会員証の管理に使うサーバソフトを合わせて120万円から。システム全体では「約3000万円くらいの導入コスト」(NECインターネットソフトウェア事業部長の米田潔氏)となる。出荷は9月30日から。

 2004年1月からは、NTTコミュニケーションズと共同で秋葉原の電気街を中心に「LightHolder」を使ったポイントカードサービスの実証実験を行う。NECでは今後3年で600セットの販売を見込んでいる。


携帯に電子情報をダウンロードさせ、レンタル店の会員証代わりに使ったり、ポイントカード、クーポン券、映画などのチケットに利用しようというのが、LightHolderのサービスモデル。事業者にとってはカードやチケットの発行コストが減らせるほか、マーケティングに活用できる。ユーザーにとっても、入手が容易になり携帯性が上がるといったメリットがある

「スタート」を押すだけ。シンプルな使い勝手

 携帯電話をチケット代わりに使う試みは各社が提供しているが、NECのLightHolderの特徴は“赤外線を使うこと”と“スタートボタンを押すだけ”というシンプルな操作にある。

 ディスプレイにQRコードを表示して読み取らせる仕組みは、Webアクセスできるほぼすべての端末が対応できることから利用される場合が多い。NECでは、「QRコードでは一方通行。赤外線によって双方向通信が可能になる」と赤外線のメリットを説明する。

 実際の利用シーンでもこの利点が活用されている。LightHolderのiアプリを立ち上げ、POSレジなどの赤外線受光部に向けて「スタート」ボタンを押す。するとPOSレジからの赤外線を受信して、その場にあったサービスが自動的に起動する。サービスごとに別個のiアプリを用意するのではなく、「スタートを押しただけで自動的にサービスが立ち上がる」(NEC)のが特徴だ。


携帯電話のiアプリの画面。POSレジなどに向けて「スタート」ボタンを押せばレジとの通信が始まり、自動的にサービスがインストールされる。例では、レンタル会員証のサービスが導入された

 これは、本体のiアプリは一つで、その上に個別のサービスをHTMLライクな記述言語で定義してある。赤外線通信時に、定義を自動アップデートさせることも可能だ。定義は一つあたり5Kバイト程度でスクラッチパッドに記録されるため、実質20個以上の定義が保存できる。同じアプリ上で異なるサービスを動かせるため、「複数企業による連携サービスも可能」になる。


チケットの場合、Webサイトで購入を行うと、URLがメールで送信される仕組み。URLにアクセスするとiアプリが立ち上がりチケットをダウンロードしてくる

 シンプルで分かりやすい使い勝手のLightHolderだが、まず利用店舗などが増えること。そして対応端末が増えることが普及のためには必要だ。

 ドコモはFOMAを含めハイエンド機種すべてに赤外線通信機能を搭載することをアナウンスしているが、基盤サービスのプラットフォームとして使うにはまだ数が少ない。

 対応するPOSレジが「Windows系OS搭載のもの」(NEC)に限られるのも課題の一つだ。「CRMなど高度な顧客管理を既に行っている企業がターゲット」だという。ただし「今後自動販売機や駐車場システムなどの特殊端末にも対応を検討する」としている。



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▼ NEC

[斎藤健二, ITmedia]

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