Mobile:NEWS 2003年9月22日 04:41 PM 更新

まだまだ残るHDML対応端末〜消滅は2006年に

潮流としてはXHTMLに向かうが、まだまだ携帯各社のサイト記述言語の違いは大きい。特にほかと互換性の低いHDML(WAP1.xの記述言語)のアクセスシェアは、未だに1割近く残っている。

 携帯向けサイトの記述言語は統一の方向にあるものの、まだまだ各社によって違いは大きい。特に注意しなくてはいけないのが、WAP1.xで使われる記述言語「HDML」の取り扱いだ。

 携帯向けサイトの開発サポート「ケータイ・マイスタ」を提供するフレックス・ファームは(2月13日の記事参照)、大規模一般サイトへの機種別アクセス数を計測。HDML対応端末からのサイトアクセスは、現状でも8%程度あり、無視できない状況であることを指摘する。


フレックス・ファーム資料より

ネット接続サービス+機種名アクセス・シェア
iモード Ver.4 31.36%
iモード Ver.3 24.43%
EZweb XHTML 15.07%
J-SKY ステーション 10.32%
EZweb HDML カラー 7.91%
iモード Ver.2 6.00%
J-SKY パケット 3.02%
iモード FOMA 1.27%
iモード PHS 0.24%
J-SKY 非ステーション 0.14%
EZweb HDML モノクロ 0.13%
iモード Ver.5 0.09%
iモード Ver.1 0.03%

 「2001年から2003年にかけて、前年比60%程度の割合でHDML対応機は現象してきているが、現在でもツーカーの全機種、auのA1013Kなどが販売されていることを考えると、無視できる数になるのは2006年になると予想される」(フレックス・ファーム)

2001年2002年2003年2004年2005年2006年
20%12%8%5%3%2%
フレックス・ファーム予測。2004からは予測値

 HDMLが特に問題となるのは、他言語との互換性が著しく低いためだ。現在auはXHTMLを採用しており、iモードはC-HTML、J-フォンはHTMLに近いMMLを使っている。「XHTMLはC-HTMLと開発する上での違いはほとんどない。しかし、言語的にHDMLとXHTMLの互換性は全くない」(フレックス・ファーム)

 キャリアはHDMLとXHTMLの変換ゲートウェイを用意しており、相互に翻訳されるが、容量制限が厳しい、翻訳の仕方がゲートウェイによって変化するといった制約があり、「経験上、実用的なサイトでは翻訳に頼らない開発が必要」(フレックス・ファーム)だという。

機種名アクセスシェア記述言語
A3015SA2.500%XHTML
A3012CA2.000%XHTML
A5302CA1.900%XHTML
A5304T1.700%XHTML
A5303H1.200%XHTML
A5301T1.000%XHTML
A1013K1.100%HDML
C1002S0.800%HDML
A1014ST0.700%HDML
C415T0.600%HDML
C401SA0.500%HDML
TT210.500%HDML
XHTMlおよびHDMLのアクセスシェア上位。HDML端末が未だに現役であることが分かる

将来的には各社XHTMLに統一へ

 HDMLは、WAP1.xで使われる記述言語で国内ではKDDIとツーカーグループが採用。au端末ではA10xx、C10xxやそれ以前の端末が対応しており、ツーカーグループでは全機種が未だにHDMLにのみ対応している。

 全体の流れとしては、WAP2.0が採用する「XHTML」に向かっている(2001年10月の記事参照)。

 auはCDMA2000 1x導入を機に、XHTMLへの移行を済ませた(C5000シリーズなど一部cdmaOneでも移行済み)。ツーカーグループも「auの方式に揃える方向で検討中」だと言う。ドコモはFOMAからXHTMLのサポートを始めており(2002年5月の記事参照)、J-フォンも3G端末のWAP対応を明言している(9月18日の記事参照)。



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関連リンク
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[斎藤健二, ITmedia]

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