「F900i」、携帯電話としての使い勝手を試す(3/3 ページ)
ドコモがPDCからFOMAへの移行を促す切り札として放ったのが「900iシリーズ」。その第1弾となる富士通製の「F900i」が登場した。スペックでPDCを追い抜いたことから注目が集まるが、“携帯電話としての使い勝手”は向上しているのだろうか。
待ち受け画面から未確認情報にも素早くアクセス~カスタマイズ表示機能
未読メール、不在着信、留守録などは、その数まで含めて待ち受け画面の下端にアイコンで表示される。待ち受け画面でセンターキーを押すとアイコンが選べるようになり、未確認の情報に素早くアクセスできる。
ディスプレイのカスタマイズ表示機能も面白い。待ち受け画面上をいくつかのパターンで分割し、未読メール、不在着信、スケジュールなどの情報を任意に割付設定して情報を表示させられる。メールならタイトル、着信なら相手先も表示され、スケジュールは近い順に表示される。
カスタマイズ表示画面を設定すると、待ち受け画面からセンターキーを押すことで表示され、さらに表示されている情報を選択すると任意の情報にアクセスできる。表示だけなら終話ボタンで切り替え可能。見たい時だけさっと見られる、かなり便利な機能だ。
スケジュールのワンタッチ登録機能も便利だ。待ち受け画面から4桁で時分、8桁で月日時分を入力してから左上のソフトキーを押すと、入力した日時(4桁の場合当日)のスケジュール入力画面に移行する。とにかくスケジュールがあることを登録しておきたいといった場合に重宝しそうだ。
メールと通話の連携も練られている。発着信履歴からアドレス帳に登録されたEメールアドレス宛にメールを作成したり、メールからアドレス帳に登録された電話番号に発信できる。残念なのは、それぞれ先頭に登録されたEメールアドレス、電話番号宛になってしまう点だ。
F900iは、単に多機能なだけではなく、通話、メールといった携帯電話としての基本機能の使い勝手も悪くない。4つのソフトキーへの依存度は高いが、利用可能なシーンでは割り当てられた機能も表示される。慣れや記憶に頼らなくても高度な使いこなしが可能だ。
半面気になるのはレスポンスの悪さ。キー操作に対して1テンポ、画面描画が遅れる感があるし、実際スケジュールの入力作業などは登録時に妙な待ち時間がある。キーリピートも速くはないので、日本語入力での候補選択、Eメールの連続スクロールなども少々緩慢な印象を受ける。操作に慣れてると不満を感じることもあるそうだが、似たような印象を持つF505iあたりと比べればずいぶん改善されてはいる。
次回はFOMA初となるメガピクセルのカメラ機能、テレビ電話など、携帯電話の付加機能の部分を検証する。
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