ISO 14443【あいえすおー・いちよんよんよんさん】
携帯へのFeliCa搭載で盛り上がる、非接触IC。その国際標準規格が「ISO 14443」だ。TypeA、TypeBなどの種別も規定されている。
ISO 14443は、国際標準として定められた非接触ICカードの規格のこと。13.56MHzの無線を利用する非接触ICカードにはFeliCa(用語参照)やMifare(用語参照)があるが、いずれもISO 14443の規格に沿ったものだ。同規格は符号化方式や変調方式などの違いから、TypeA、B、および非公式なTypeCの3つに分類される。
Type Aは非接触型ICカードとして世界で最も広く普及している方式で、蘭Philipsの「Mifare」がその代表となる。変調方式はASK 100%、符号化方式にはModified Millerを用い、送信速度は106kbpsとなる。日本国内においても、大阪市の主催する「OSAKA CITY CARD」や、NTTのICテレホンカードなどでTypeAが利用されている。
Type Bは米Motorolaが開発した方式。TypeAと違い、カードへのCPU搭載が必須となっているのが最大の特長。変調方式にASK 10%、符号化方式にNRZ(Non-Return to Zero)を用い、通信速度は106、212、424、848kbpsの範囲で高速通信も可能となる。日本では住民基本台帳カードの非接触型として採用されているほか、ボーダフォンが発表したSDカード型非接触ICカードの試作品(5月6日の記事参照)にも、このType Bが使われている。
Type Cはソニーが開発したFeliCaが該当する。TypeA、Bと同じく無線13.56MHzを使う近接型(10センチ以内)通信方式で、日本がISO 14443のType Cとして提案したものの、実際にはISO 14443として標準化されなかった。したがって同規格にはTypeC以降は存在しないが、技術解説などでは便宜上FeliCa=Type Cという扱いをしていることが多い。
FeliCaは変調方式にASK 10%、符号化方式にManchesterを用い、通信速度は212kbpsとなっている。日本ではSuicaやEdyでおなじみのFeliCaだが、世界的なシェアはMifareに比べるとまだ少ない。現在は、FeliCaとMifareの上位互換に位置するNFCが、国際標準のISO 18092として登場している(2003年12月8日の記事参照)。
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