FOMA、WINで使えるフルブラウザ「jigブラウザ」の秘密:Inteview(2/3 ページ)
FOMA 900iシリーズや、Java対応のWIN端末などで使えるフルブラウザ「jigブラウザ」が話題を呼んでいる。開発者の福野泰介氏に聞いた。
ITmedia 組込フルブラウザとして有名なOperaとの違いは、どこにあるのか。
「Operaとjigブラウザの大きな違いは、アプリとサーバのシステムを合わせて初めてブラウザとして機能するところにある。jigブラウザでは、サーバである程度の処理──HTMLのレイアウト解析を行って、アプリ側で扱いやすいデータ方式に変換して送っている。また、サーバ側で情報を圧縮するので、転送量が少なくなる。効果は、パケット料金というよりも速度向上に現れている」
ITmedia Operaでいうスモールレンダリングモードに近いものを用意している。
「携帯に適したモードとして携帯モードを用意している。3つ処理をしていて、1点目は画像の高さ、幅を半分にする。2点目は、レイアウトする画面サイズを変える。標準は横800ピクセルだが、これを幅400でレイアウトする。3点目が、文章が画面幅以上につながらないように自動改行を入れている。PCサイトは段組を使うことが多いので、(Operaのスモールレンダリングのように)全部縦にしてしまうと、左側の部分が最初に表示されてしまう。(jigブラウザでは)あまりレイアウトを崩したくなったので、原型を留める形で、なおかつ長い文章を縦スクロールで見られるようにした」
ITmedia jigブラウザの仕様はどうなっているのか。
「現在は、HTML4.0にほぼ準拠している。CSSは、色情報と背景色情報のみに対応。今後、対応を増やしていくが、アプリの動作速度とのバランスを見ながらになる。例えば、文字のボールド処理も考えたが、文字描画を2回することになるので、速度とのバランスで今回は見送った。JavaScriptは、ごくごく簡単なスクリプト(「戻る」「進む」「リロード」のみ)だけに対応していて、完全対応は考えていない」
ITmedia 例えば、PC上のWebメールサービスを利用するにはJavaScriptへの対応が必須だが。
「JavaScriptの仕様があまりに多いので、普通には対応できない。メールを使いたいという要望は多いと思うので、ブラウザにメールを組み合わせたjigのメールソフトを考えている。これでPOPでアクセスできるアカウントには対応できる。オフィス系ファイルの添付ファイルも対応予定だ。ExcelやWordなどのファイルはHTMLに変換できるので、フルブラウザならそのまま表示できる」
ITmedia 現在、FOMA 900iシリーズと、auの1X WIN端末(Java Phase3対応機種)に対応しているが、今後の対応予定は?
「900i以降の機種には当然、継続対応する。実は、一番要望が多いのはBREWだが、“1日にダウンロードできる容量が3Mバイト”という壁がある。また(KDDIに)企画が通るかどうか分からないのが課題だ。ボーダフォンは、ブラウザアプリが禁止されている。VGSならばパケット料金も安いし、プラットフォームとしてのJavaにも力が入っているので作りたいが、規約上リリースできない状況になっている。技術的には可能だ」
ITmedia どんな機種で使っているユーザーが多いのか。
「P900i(V)が多い。2位がauのWIN端末W11H。実は、WINのJava機のほうが(FOMAに比べて)相当処理速度が速い。通信速度も速いし、サクサク動くのはWIN端末だ」
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