携帯はこうしてPCになっていく(1/3 ページ)
CPUは数百MHz、メモリは50Mバイト以上、そして各社が共通のOSを採用。PCのようなスペックアップとプラットフォームの共通化が携帯でも起きようとしている。
携帯電話の高機能化が行き着く先は、やはりPCだ。「セミコン・ジャパン 2004」の基調講演で、KDDI 技術統括本部長の伊藤泰彦氏が携帯のPC化について話した。
“携帯のPC化”が加速しそうだ。何をもって“PC化”というかは難しいが、CPUとメモリのスペックアップが加速していること、そしてアプリケーションプラットフォームが共通化の方向に向かっていることが一つの見方だ。
伊藤氏は、携帯の進化をハードウェア面から見た場合、大きく3つのポイントがあるとする。
高速化するCPU~セカンドチップがサポート
1つ目はチップ──CPUの進化だ。つい数年前まで、携帯には16ビット/数十MHzのCPUが搭載されていたが、現在では数百MHzにまで達している。「(CPUコアは)これまではARM7だったが、今後はARM9。16ビットから32ビットになり動作クロックも上がった」と伊藤氏。
KDDIが採用しているQualcomm製のチップも、ARM9/150MHzを積む現行の「MSM6500」から、数年後には335MHz以上のクロックで動作するARM11コアに変わっていく予定だ(7月5日の記事参照)。今後も「とにかく高速化したい」と、伊藤氏はCPUの高速化に意欲を見せた。
au携帯電話の構造を、レイヤー構造と実際のチップ配置からおさらいしておこう。RFチップはアンテナを通じて電波を受発信する。受信された信号はベースバンドチップで変調処理(CDMA変調など)され、OSに渡される。
ベースバンドチップには、制御用のCPUコア(ARM9)が含まれており、この上でOSが動作している(au端末の場合REX OSというリアルタイムOS【RTOS】)。その上に端末メーカーごとに特化したOEMレイヤーなどが載り、さらにBREWという中間言語を使ったアプリケーションプラットフォームが載せられている。
メールやWebなどのアプリケーションは、現在OEMレイヤー上で動いており、一般にネイティブアプリケーションと呼ばれる。一部のアプリケーションはBREW上で動作するようになりつつある。
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