携帯電話との連携サービスも~韓国版ホットスポット「Nespot」:韓国携帯事情(1/2 ページ)
韓国にはKTが運営する「Nespot」という無線LANスポットがある。さらにKTFは、このNespotを利用した画期的なサービス「Nespot Swing」も提供している。
韓国には、KTが運営する「Nespot」という公衆無線LANスポットがある。飲食店やホテルはもちろん、駅や図書館、病院やお寺まで、Nespotマークのある場所で幅広く利用できるという点は日本と同じだ。
Nespotを利用するにはまず、Webサイトで登録を行い、接続用専用ソフトをダウンロードしなければならない。IEEE802.1Xに対応し、PCおよびPDA、PDAフォンでの接続が可能だ。
現在、Nespot利用可能ゾーンは全国に1万2938カ所(3月31日現在)。NTTコミュニケーションズのホットスポットが約1200カ所というから、単一事業者としてはかなり多いことが分かる。また、単に決まった場所で無線LANが使えるというのではなく、電話会社という特徴を活かした有線、無線の統合サービスや、細かに分けられた数種類の料金制が用意されているところが韓国ならではといえる。
電話会社の強みを活かした多彩な料金プラン
料金プランの1つ「Family」は、Nespotだけでなく、KTの有線ブロードバンドサービス「Megapass」と同時に使えるというプランだ。料金はMegapassの速度別に「Lite」(4Mbps)、「Ntopia」(100Mbps)、「Premium」(13Mbps/4Mbps)、「Special」(20Mbpsもしくは50Mbps/4Mbps)の4種類があり、さらに1年、2年、3年と契約期間の長さに応じて料金も割安になるなど、たいへん細かな区分となっている。
このほか家庭内外でNespotのみを利用できる「Solo」、データ漏れなどを防ぐ保安・認証サービス提供なども含む会社用の「Biz」、Nespotでのみ利用できる「Pop」がある。
「Nespotフレンズ」という、Nespot向けのコンテンツサービスも用意されている。検索サイト最大手の「Naver」と提携して、PDAや携帯端末でブログのチェックや書き込みができる「モブログ」、音楽の再生やアレンジができる「スウィング」、KBSやMBCなどの番組をリアルタイムで見ることができる「リアルタイム生放送テレビ」、画像付きチャットや住所録、ファイル管理など多彩な機能を持つソフトウェア「imanPlus」などがある。それぞれに対応したソフトは、NespotWebサイトでダウンロードする形となる。
また米国のT-Mobile、日本のNTTコミュニケーションズと連携したローミングサービスも行っている。現在は無料で提供中だが、近々有料化の予定だ。またNTTコミュニケーションズ側でも、韓国での利用について3月31日まで無料試験サービスを行っていたが、4月1日から有料化し本格的なサービスを行うようになった。日本からのローミングの場合は980円/1日と、比較的リーズナブルといえるのではないだろうか。
ちなみに外国人がNespotを使いたい場合は、英語版のWebサイトで登録を行わなければならない。韓国人向けのサイトで申請しても住民登録番号ではじかれてしまうほか、料金制も1時間3000ウォン(約300円)と、1日1万2000ウォン(約1200円)の2通りしか料金が用意されていない。やや不親切な印象も受けるが、対象を国外から来たビジネスマンや旅行者に限定しているのかもしれない。
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