ドコモ携帯、“音楽プレーヤー”としての実力は?(3/3 ページ)
携帯電話の目玉となる付加機能として注目されているのが、音楽再生機能。“音楽携帯”をうたうドコモ端末について、音楽プレーヤーとしての実力を検証した。
音楽プレーヤー(ミュージックパネル)はメニュー操作で呼び出すことができ、側面のAVボタンで起動するようにも設定できる。この設定にすると、待ち受け画面とプレーヤーの間をAVボタンだけで行き来できるので使いやすい。
QVGAディスプレイを生かして10曲を一画面で一覧表示させることが可能。リモコン操作には対応しないが、premini-II自体がコンパクトなので、操作のたびに出し入れしてもそれほど不便は感じさせない。
音楽再生時に音声通話が着信すると、音楽再生が停止して着信音に切り替わり、すぐに通話を開始できる。通話が終われば停止位置からの再生が可能だ。プレーヤー画面での音声着信は、音声通話が完了するとプレーヤー画面に戻るのでセンターボタンを押すばすぐ音楽再生を再開できる。メール受信では、受信一覧表示に切り替わった時に1~2秒だけメール着信音に切り替わり、音楽再生が再開される。
このあたりの挙動は「Muisc PORTER」よりも洗練された感があり、多くのポータブルオーディオ製品を手がけるソニーらしさを感じさせる。
なお「SO506iC」の音楽再生機能も概ね「premini-II」に準じている。
本格的に楽しむなら音楽対応のPDC、AACエンコード対応なら富士通端末
Music PORTERとpremini-IIのように音楽再生機能に本格対応している端末は、やはり操作性もよく、PCからのファイル転送も容易だ。専用ソフトを利用する点が面倒といえなくもないが、メモリカードへの書き込み時にもファイル名などを一切気にする必要がない。予備知識を必要とせず音楽を楽しめる点はやはり重要だろう。またインターネットを利用して購入した音楽ファイルを再生できるのも、901i/700iシリーズにはないメリットだ。
ただし音楽対応のPDC端末が採用しているメモリカードには課題がある。現状ではメモリースティックDuoのみの対応で、メモリースティックPro Duoが使えない点だ。PC側の転送ソフトが対応していないため、利用できるメモリカードが最大でも128Mバイト止まりになる。これでは音楽携帯として使うには少々もの足りないだろう。
901i/700iシリーズに関しては、“P”“N”は連続再生に対応していないこともあり、音楽再生はオマケ機能と思ったほうがいい。“SH”はフォルダ管理が行えず、アルバム単位といった再生ができない点が今ひとつだ。フリーウェアの「携帯動画変換君」などを用いて擬似動画ファイルとし、iモーションとして認識させるとフォルダ管理も可能だが、そうするとiTunesとの連携ができなくなる。
こうして見ると、iTunesとの連携が実用的なのはF901iCとF700iということになる。筆者が確認した限りでは、512MバイトのminiSDメモリカードも問題なく利用でき、相当数の音楽ファイルを保存できる。もちろん「iPod+iTunes」ほどの手軽さはなく、再生機能も貧弱ではあるが、簡易音楽プレーヤーとしては使えるだろう。
エンコードやメモリカード転送時間の違いは?
音楽CDから音楽を取り込んだり、メモリカードへ転送するのにかかる時間も検証した。ここでは以下の機材を使って比べている。
PC | CPU Pentium4/3.0CGHz、メモリ 512Mバイト、OS Windows XP SP2 |
---|---|
メモリカードリーダー | メモリースティックDuo用、Music PORTER(USB1.1)、SONY MSAC-US30(USB2.0)、miniSDメモリカード用、Panasonic BN-SDCGP3(USB2.0) |
メモリカード | SONY MSG-M128N(128Mバイト メモリースティックDuo)、KINGMAX(512Mバイト、miniSDメモリカード) |
Music PORTERはそれ自体がメモリカードリーダーとして機能する。USB 1.1接続のため、メモリカードの読み書きの速度がそれほど速くないことが分かっていることから、premini-II用に用意したメモリカードリーダーとの組み合わせでもテストしている。ソフトは、Music PORTERは付属のBeatJam、premini-IIは無償配布されているSonicStage(V3)を使った。FOMAはF901iCを用い、iTunesに加えてメモリカードへの転送には付属のminiSDユーティリティを使った。
音楽CDとして用意したのは浜田省吾のアルバム「THE HISTORY OF SHOGO HAMADA SINCE 1975」。15曲、75分程集録されている。またこの音楽CDを事前に256KbpsでエンコードしたMP3ファイルも比較用に用いている。ATRAC3は105Kbps、AACは128Kbpsでエンコードした。
結果を見ると、音楽CDからHDDへの取り込み、HDD上のMP3ファイルからATRAC3/AACファイルへの変換は若干iTunesが遅いものの、使い勝手を大きく左右するほどではない。
HDDへ取り込み済みのATRAC3/AACファイルからのメモリカードへの転送では、やはりMusic PORTERへの直接転送は極端に遅い。75分の楽曲転送に約6分半かかるのををどう見るか──ということにもなるだろう。ただ“出かける前にさっと転送する”という使い方では少々辛いかもしれない。
BeatJamには音楽CDから直接メモリカードに転送する機能がある。エンコードしながらバックグランドでメモリカードへの転送も行ってくれるため、メモリカードリーダーにMSAC-US30を用いた場合には最速だ。対してSonicStageはMP3ファイルとして登録した楽曲をメモリカードに転送する場合、エンコードしながらメモリカードに転送する機能があり、この作業は最速となった。
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