動画ビューワとしての実力は──「SH901iS」(1/2 ページ)
最近の携帯電話は、動画ビューワとしての機能も見逃せなくなってきた。録画機能も備える「SH901iS」について、動画機能の実力を試した。
最近の携帯電話は端末性能が向上したことから、PCなどでエンコードしたMPEG-4動画を再生する動画プレイヤーとしてのニーズに注目が集まっている。「SH901iS」(SH901iS記事一覧参照)は前モデルの「SH901iC」(2004年11月の記事参照)に続いて、端末をビデオデッキなどに接続してテレビ番組を録画する機能も備えているだけでなく、「PCで録画した番組をエンコードして再生したい」というニーズにも対応する。どの程度のクオリティの動画までをスムーズに再生できるのかを見ていこう。
タイトルごとのレジューム機能も装備
FOMA全般で再生可能な動画のエンコードを行えるパナソニックの「Media Stage」をPC上で利用し、いくつかの動画ファイルをエンコードして再生してみたところ、320×240ピクセル(QVGA)でも15fpsまでは滑らかな動画再生が可能だった。フルスクリーン表示でもコマ落ちなどは全く発生しない。
さらにクオリティの高い320×240ピクセルで30fps、1Mbpsの動画ファイルも再生は可能だが、画面が更新されなかったり音声が先行するなどの現象が不定期に発生し、スムーズな再生が行えなかった。ビットレートの問題かもしれないので、エンコード設定の自由度が高いカノープスの「X-Transcoder」を使い、320×240ピクセル、30fpsで750Kbpsと500Kbpsにビットレートを落とした動画ファイルを作成して再生してみたが、状況はあまり変わらなかった。やはり「P900iV」(2004年6月の記事参照)のように専用ハードウェアを搭載していないと、320×240ピクセル、30fps動画のスムーズな再生は難しいようだ。
音楽ファイル同様、PCでminiSDカードに動画ファイルを書込む場合、付属の「データリンクソフト」を利用できる。SH901iSで再生可能な動画ファイル(拡張子ASF/3GP)であれば、ドロップするだけでminiSDカード内の適切なフォルダ内に書き込まれる。「データリンクソフト」側ではフォルダを作成できないが、SH901iS側で事前にフォルダを作成しておけば、特定のフォルダに書き込むことも可能だ。
「データリンクソフト」を使うとファイル名をタグ情報として書き込むので、SH901iSの一覧では番組名なども反映される。ちなみにminiSDカード上では「MOL001」「MOL002」といったファイル名に自動変換されている。
プレイヤーの操作性は音楽再生時とほぼ同じで、フォルダ内にある動画ファイルの連続再生も可能。早送り/巻き戻しは再生も伴うタイプで、ビデオデッキ感覚で利用できる。フルスクリーン再生も可能だが、ビューアポジションに切り替えると自動でフルスクリーン再生になるような機能はない。フルスクリーン再生への切り替えはサブメニュー内にあり、ビューアポジションに切り替えてからの操作は少々面倒だ。ビューアポジション=横位置再生ではないからだろうが、設定の1つに加えて選択できるようになると便利だ。
動画再生で便利なのは、タイトルごとに再生停止位置を記憶しており、レジューム再生(続きから再生)ができる点だ。停止ではなく、クリアボタンで一覧に戻ったり、終話ボタンで強制終了した場合に停止位置を記憶する。この機能を使えば、“通勤の往路でドラマの前半を再生し、昼休みにはPVを再生、通勤の復路でドラマの続きを再生する”といった場合でも、いちいち再生開始位置を移動せずに済む。またこのレジューム再生機能は無効にすることも可能だ。
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