レビュー

G'zOne TYPE-Rは優れた「航海機器」だった勝手に連載!「海で使うIT」(5/6 ページ)

そういうわけで、ITmediaの行く末とか将来の発展とかアクセス数の増加などとは一切関係なく、己の本能の趣くままに企画が進むこの連載。今回はタフネス携帯電話「G'zOne TYPE-R」を船の上でギチギチと使ってみる。

案外つながるぞ、au──伊豆諸島沖で通話テスト

 僻地で活動することが多いアウトドアレジャーで使うなら、いざ救助を要請しようとしたとき圏外ではまったくもって意味がない。海のレジャーでは海上保安庁が緊急電話「118」サービスを開始するなど、携帯電話が救難活動の重要なデバイスとして活用されているが、これも圏外では意味がないのだ。

 障害物のない海上では一般的に10キロ程度まで沿岸にある基地局の電波を捉えられるとされている。しかし、auはNTTドコモに比べて「僻地に弱い」というイメージがある。

 実際、KDDIが公開しているサービスエリアマップを見ると、伊豆諸島近辺の海域では相模湾沿岸から伊豆半島東岸、伊豆大島付近が圏内として案内されているのみ。三宅島や神津島はおろか、新島や式根島も入っていない。

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 これは個人的な経験だが、今から4年前に伊豆諸島を巡航したとき、私が使っていたauの1円端末は三浦半島を離れたとたんに圏外に。その二年後に同じ海域を航海したときには、横浜沖から式根島までガッチリアンテナが立っていた。しかし、こともあろうに式根島の港(野伏港)に入港したらこれまたいきなり圏外に。おかげでいまだに「auは僻地では使えん」というイメージが拭えていない。

 そんなこんなで、どうにもauのサービスエリアに不安を感じているのだが、今回は実際に伊豆諸島を航海してそのサービスエリアの現状を検証してみることにした。航路は三崎港を出航して伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島を反時計回りにぐるっと一周するコースだ。

 本当ならそれぞれの島に入港して港における入感チェックしたかったが、諸々の事情により、オーバーナイトでぶっ通し30時間航海で検証することに相成った。実験は1時間航行するごとにG'zOne TYPE-Rを取り出して、以下の3項目をチェックしている。

(1) EZナビウォークで現在位置を表示する

(2)EZWebでウェザーニュースが提供する気象情報サービス「天気Plus」にアクセスして伊豆諸島北部の気象データを入手する

(3)アンテナのインジケータをチェックする

 実験の結果は以下のとおり。伊豆大島と三崎港のちょうど中間、相模湾のど真ん中で圏外となった以外は常にEZWebにアクセスできた。EZナビで「○」とあるのは、船の位置を地図上に表示できた場合、「△」とあるのはGPSの位置情報は取得できたが地図情報を表示できなかった場合。「×」となるのは地図情報を取得中に「通信ができませんでした」とメッセージが出た場合。

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 相模湾の真ん中では地図情報が取得できなかったり、取得しても箱根近辺の周辺地図だったりと失敗することもあったが、伊豆大島近辺では船の位置を海上に表示してくれた。しかし、利島に差し掛かるあたりから地図情報の取得ができなくなっている。

 表にある測定位置をみて、分かる人は「伊豆大島にかかってから急に速度が下がったな」と思うだろう。実際、相模湾は5~6ノットで順調にログを伸ばしていたのが、伊豆大島の西側にかかったとたん、潮の影響を受け始め、ハンディGPSの示す対地速度は3ノット程度に低下してしまった。

そして実験は突然終わった

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